「異文化の恐怖」ブラッド・チェイサー 呪術捜査線 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
異文化の恐怖
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原題のMutiとは南アフリカのズールー語で薬、ただ、それは私たちが知っている医薬品ではなく人の目や手足、臓器に金や植物を混ぜたもので、それを食するとパワーを得るというアフリカの古代信仰に基づくものらしい。
ローマとアメリカで不可解な連続猟奇的殺人事件勃発、いずれも同一犯、アフリカの祈祷師兼殺し屋で、南ア出身の実業家がアフリカ的迷信のパワー欲しさにMutiづくりを依頼したらしい。黒幕も犯人も分かっているのに次々と出る被害者、警察は何をもたついているのか苛立ちばかりが募ります。
モーガン・フリーマンは事件の鍵を握るアフリカ出身の文化人類学の大学教授、冒頭で学生たちへの授業を通じ、本作の土台、異文化のおぞましさを語ります。確かに事件のキーパーソンではありますが出番は少なく、作品の箔付けでオファーされたのでしょう。彼も祈祷師の末裔だったらしいオチは何なのでしょう、出番が少なかったので存在感の強調かな。
いくらアフリカ出身と言え現代のビジネスマンが迷信に囚われる設定自体がリアリティに欠け過ぎでしょう、アフリカへの偏見を助長するような筋書にも疑問、作家性の強いスリラーでした。
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