「社会派のラブコメ映画・・・とでも申しましょうか!」きっと、それは愛じゃない 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
社会派のラブコメ映画・・・とでも申しましょうか!
お嫁さんにしたい人ナンバーワンのリリー・ジェームズの主演映画ですので、
胸熱の泣ける映画かと思ったのですが、意外や考えさせられる
なかなか興味深い、しかも民族問題にも触れる奥深い映画でした。
しかも面白かった。
リリー・ジェイムズという好感度抜群の人気女優の映画なので、
期待値は高まります。
もちろんリリーちゃんは可愛くて予想通りでしたが、
相手役がパキスタン人、それも幼なじみにして隣人一家の長男。
彼を取り巻く環境は、民族+宗教+戒律その他もろもろ、
大変なんですよ。
どうせ、軽いラブコメなんでしょ!!
多分、隣家の幼馴染のパキスタン人と、
ラストはハッピーエンドなんじゃ?
その予想はほぼ当たりでしたが、
えーっ、イギリスの現首相のスナクさんはイギリス生まれの
インド人です。
現状は日本なんかと月とスッポンですよね!!
《STORY》
ゾーイ(リリー・ジェイムズ)ドキュメンタリー映画の監督で、
入賞歴もある。
次作の題材を求めていたところ、幼馴染のカズ(シャザト・ラティフ)が
どうも見合い結婚をするらしい。
嫌がるカズを説得して密着取材をすることとなる。
見合いは見事に成功して、パキスタンで挙式と披露宴を行う運びとなる。
ゾーイはパキスタンにも母親(エマ・トンプソン)と同行する。
パキスタンのムスリムの寺院が美しい。
朝焼けの景色も抜群。
挙式と披露宴は3日3晩の盛況で飲めや歌えや踊れや!!
でインド映画みたい
(だけど、ご存知のようにインドとパキスタンは犬猿の仲)
カズ(シャザト・ラティフ)の一家も高級住宅地に豪邸を構える成功者です。
ところが披露宴の宴あたりから、カズの顔色が冴えなくなる。
お嫁さんになる人の素顔がチラチラ見え隠れする。
彼女は黒い民族衣装の中に秘密を貯めていて、
隠したまま嫁に来たらしい。
そしてカズと夜の街を案内されたゾーイはカズに、
「結婚しないで!!」とメールする羽目に・・・。
そして映画が完成してお披露目の試写会。
ゾーイには秘密があって、試写会を観ていられない。
実はラストに爆弾が仕掛けてあったのだ。
カズの妹の夫は白人で異教徒。
もちろんムスリム(イスラム教)ではない。
反対したカズの家族は妹と絶縁したのだ。
そこへゾーイは取材に行きカメラを回して
妹夫婦と赤ちゃんを撮影して上映したのだ。
結論から言います。
《雨降って地固まる》
カズの口癖は、47番地と49番地は世界が違う・・・
ハイ、結果少しその隔たりが埋まり、近づいたみたいですね。
映画で見るとうまく行き過ぎと思うかもしれないけれど、こんな風なことで意外にうまくいくことだってあるんだよ、というメッセージをプレゼントしてもらったような気持ちにもなります。ダメもとでも、前向きの楽観的行動力で!行動する前から諦めないで!
いい映画だったなあ!