「猫に九生あり」MAD CATS いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
猫に九生あり
新旧の特撮技術が配置され、日本語と英語の台詞の掛け合い、そして近年のアクション映画に用いられる『ガン・フー』的要素、最後に"猫"を組み込んだ、まぁ、正統B級映画、ジャンル映画の作りである
冒頭ドローン撮影は、まるでMVを思い起こすようなアングルであり、猫屋敷のセットは仮面ライダー的セット、車内のドアガラスはリアプロジェクション、何だか懐古趣味的なイメージでこれも又海外では受けるのかも知れない
ストーリーは現在のタイムリーな『○ー&○ク」顧客トラブル』だけでない根深いペット問題である『生体販売』に対する皮肉を練り込んだアクションスリラーであろう 化け猫が戦闘マシーン化した人間に化け、動物で商売している会社社長の首を狩る犯行を繰り返す中で、偶々エジプトで特別なマタタビを発掘した男を拉致監禁、そのマタタビのお陰で益々パワーアップした化け猫たちの巣に、男の弟が助けに向かうという筋書きである 途中で、元化け猫一味の1人の女が味方に加わり、以前可愛がっていたその男への恩返しで立ち向かうというクライマックスになるのだが、兎に角アクションの数々が圧巻であろう よくもこれだけの人数のアクションがこなせる女優をキャスティングできたのが凄い 女性ならではのしなやかさだけでない、鞭のような鋭い強かさは現代のアクションシーンでは必須なのではないだろうか?
それに比べての男達の配役の情けない事を、これも又今風の対比としての落とし処であろう そんな中での細かいギャグの応酬は、ゲラゲラ笑える類ではないが、一服の清涼剤的役割かも知れない それでもしつこい位に差込む中国剣舞の面白さは"天丼"を多用した演出として海外でどこまで受けるのか興味津々である
日本のアクション俳優の見本市的要素も纏っている今作は、勿論海外向けの作品であろうことは明快であり、一つの日本映画の可能性と未来を願った作品であることに、その意義を強く感じさせる造りであった