「きちんと向き合わなければ、先入観からは開放されない」幸せのイタリアーノ komasaさんの映画レビュー(感想・評価)
きちんと向き合わなければ、先入観からは開放されない
これは決して遠いイタリアの大金持ちの話ではなく、自分達の話。
互いに遊びでいるときは自分が何者だって構わない。相手が求めるものも刹那的なものであって真実なんかではない。では、遊びが本気になってしまったら。
自覚の有無は別として、他人に不誠実なことをしたことが無い人間なんていないだろう。ジャンニの場合は無知、無関心による無自覚とでも言えばいいのだろうか。
しかし、キアラと関係を深めることでちょっとした事にも自覚的になっていく。どこまでいっても自分本意な彼だが、だからこそ真実味がある。
一方でハンディキャップのあるキアラの友人たちとの交流のシーンでは、テンプレの様ないかにも充実してますという生活をしなければならないという圧力を感じてしまった。
最後、ジャンニを膝の上に乗せたキアラが車椅子で颯爽と進んでいく姿は、彼女の生き方をとても上手く表していた。
ジャンニをよく表していたのはスニーカー。自社製でなくニューバランスの物ばかり履いていた。
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