「いかにもイタリアな雰囲気のプレイボーイが真剣な恋に落ちてしまうお話です。自分を偽って始まったこの恋、果たして散るのか実るのか。」幸せのイタリアーノ もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
いかにもイタリアな雰囲気のプレイボーイが真剣な恋に落ちてしまうお話です。自分を偽って始まったこの恋、果たして散るのか実るのか。
作品紹介を読んでみたら、良さそうな感じ。
リメイク作品です。リメイク元作品タイトルは知ってました。
チェックしたけれど見そびれた「パリ嘘つきの恋」。 ・_・;
バリの仇をイタリアで(?)。 というわけで鑑賞です。
鑑賞開始。
主人公はジャンニ。シューズメーカーの社長(49才)。
若々しくありたいと、ジョギングに女性のナンパにと忙しい。
母が亡くなったと連絡が入る。
葬儀に参列するため、実家のある田舎街までやってきた。
喪主を務めているのは双子の兄。
この兄弟、外見も性格も全く違う。二卵性…に納得 ・_・;
#弟:有名企業の社長
#兄:普通の勤め人(たぶん)
#弟:ワンマン。我が儘。派手好き。女好き。
#兄:性格温厚。慎重。 穏健。(たぶん)
#弟:髪ふさふさ
#兄:スキンヘッド(確実に)
その兄が、母の家に立ち寄っていけと言う。
特にそんな予定も無かったのだが、兄のきつめの視線を浴び
しぶしぶその通りに。母とは疎遠だったようだ。
母の家。アパートの一室に入る。車椅子がある。
何するともなく腰を下ろし、しもしの時をすごす。…もういいか。
帰ろうとした時、一人の若い女性が入ってきた。
思わず椅子に座り直してしまうジャンニ。
訪ねてきたのは隣に越してきたという美しい女性。
介護の仕事をしているらしい。
車椅子のジャンニに、手伝うことがあれば声をかけてね と
言葉をかけて戻っていく。燃えるジャンニ。
早速コンタクトをしてデート(?)
何回か逢っている内に、彼女の実家へ誘われる。
思いもよらぬ早い展開。
だが願ってもないチャンス。燃えるジャンニ。
彼女の実家を訪ねたら、もう一人の女性が遅れてやってきた。
車から降りてきたその女性はキアラ。車椅子を操っている。
自分を招待した女性の実の姉だった。
どうやら招かれた理由は、キアラとの見合いだったらしい。
そう気がつくジャンニだったが、キアラもとても美しい。わぉ
数年前に事故で車椅子生活となった彼女だが、バイオリンの
演奏者としてコンサートで飛び回り、車椅子テニスの有力な
選手でもあるのだ。
これまで、仕事の上でも恋愛の対象としても、健常者しか対象
としてこなかったジャンニ。キアラと出会った当初
「車椅子の女性をどうやってモノにするか」
で始まった彼の意識に、少しずつ変化が起き始める。
自分も車椅子利用の障害者であると、相手を騙す形で始まった仮初め
の恋であり・交際だった。
そうだったハズなのだが…
◇
主人公のジャンニ。
いかにもイタリア人男性という顔だちと雰囲気で、そこはとても○。
しかし性格が…× です。
冒頭から色々な女性をターゲットに、偽名を使い経歴を詐称しては
ベッドインを目指すという、人間としてはクズ男です。
自分が経営する会社の商品(シューズ)の客は健常者のみ、と言い放ち
障害者はユーザーではない と切り捨てる、傲慢な経営者でした。
障害者向けの企画をプレゼンしようとした契約社員を、会議の席上で
クビを切って追い出したりと、傍若無人な振る舞いが日常。 …うー。
そのジャンニが、変わっていきます。
ウソをついている状態が苦痛になってきて、何度も自分は歩けると
伝えなければと懊悩するのですが、白状する勇気が出てきません。
「奇跡を起こす泉」がある巡礼地へとバスツアーで向かった二人。
帰路、キアラが車に撥ねられそうになるのを目の当たりにしたとき
思わず車椅子から立ち上がり、駆け寄ってしまうジャンニ。
キアラから「ウソをつく人は嫌い」と言われていたのに…。
その後、キアラは会ってくれなくなります。
ジャンニのこの後の行動は、はたして。
…というお話です。
基本的には、とてもハートフルなお話で、満足しました。
※前半のクズっぷりは、イタリア制作だからなのか?
それともリメイク元もそうなのでしょうか? …・_・; はて
◇あれこれ
■キアラの妹
ジャンニにキアラを引き合わせた張本人。
初対面の(たぶん)段階で ジャンニに
” おっぱい見てたでしょ ”
” おっぱいバンザイ ” ← 確かこんな感じのセリフ
と、ややぶっ飛んだ発言をしていた綺麗なお姉ちゃん。
またあるときは ” ウソが嫌いなグーパンチ姉ちゃん ”。
この方も独身のようで、他人の縁結びに力を入れすぎて
自分のことまで手がまわらないから 等の自己分析発言もありましたが
うーん。 なんとなく自身の性格にも問題ありそうです。・_・;
最後には主人公の双子の兄とカップリングしたような気が。
めでたしめでたし (…なのか?)
■何気なくついたウソ
誤解を否定しそびれてついた軽い嘘が、次第に重い嘘になってしまう…。
この「言い出すタイミングを逃すと言えなくなる」のって
意外と身の周りに起きている話かもしれません。 ・_・はい
ジャンニの場合、隠しきれない自宅の綻びがご愛嬌。(隠してない?)
車イス用の家に住んでいない事は明らかだし。(障害物だらけ)
彼女の実家をスポーツタイプの車で訪問を重ねるのも
車のエンジン音などから来訪がバレ、実は歩いてる姿を見られた
りしそうなもの。と余計な心配してました。
そういえばキアラが「ウソはきらい」と言った時、彼女はジャンニの
ウソ(=本当は歩ける)に気づいていたのか気になります。
■ルルド巡礼の旅
行きも帰りも、バスの車内は就学旅行みたいでした。
行きは宴会モード。 ・_・; …五月蠅い
帰りは爆睡モード。 ^ _ ^ ; …行きのテンションはどこへやら
ルルドが何処か調べてみたら、フランスとスペインの国境近く。
イタリアからだとかなりの距離がありそうです。
帰りのバスで寝るのも納得。-o-zzz
ルルドには、不治の病をいくつも治したという奇跡の泉があるのだ
そうで、奇跡が起きて歩けるようになったと演出したかったのかも
しれませんが、結局それもウソになると諦めたジャンニ。
そのバスツアーの帰路、図らずも歩けることをキアラに知られてしまう
訳ですが…
※ この巡礼地ルルド。日本からのツアーもある有名な観光地と知りまし
た。へぇ。世の中知らないことが一杯あります。 ・-・;
◇最後に
鑑賞開始数分で、イタリア映画だなぁ と納得してました。
と同時に、「リメイク元」のフランス映画がどんな感じなのかも
とても気になってきました。機会があれば、そちらも鑑賞したい
と思っています。
(あ、Amazonプラでは有料かぁ… もう少し待ってみよう)←ケチ
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
もりのいぶきさん、コメントありがとうございます!フランス映画もそうかもしれませんが、イタリア映画の邦題は、原題や映画内容とまるで関係なく観光地名をつけまくるのが特徴です!トスカーナ、ミラノ、ローマ、シチリアなどなど!旅行代理店と結託しているのかも!