「たまたま見たけど大満足!」はたらく細胞 ノンタさんの映画レビュー(感想・評価)
たまたま見たけど大満足!
目当ての映画が満席で、近くの映画館で時間がぴったりといつだけで鑑賞。しかし、予想以上に楽しめました。この映画は、体内の細胞(主に血液の働き)をキャラクター化し、血液や免疫の仕組みをドラマ仕立てで描いたエデュテインメント作品。昔読んだ学研の学習漫画『からだのひみつ』を思い出しつつ、現代版のわかりやすさと楽しさが詰まってます。
赤血球や白血球など、基本的な知識を知っている大人でも、免疫の仕組みはよくわかっておらず、知識欲にもこたえてくれます。教育的な序盤から中盤はなんかビジネス書のようでもあります。組織で働く多様な「個性」を尊重し合う細胞たちの姿から、リーダーシップやチームワークの大切さを改めて実感します。そして、クライマックスに向けてエモーショナルな展開へ。自分の体の中でこうした「人たち」が働いていることを意識すると、自分の体への愛しさがわくというか、自己受容の気持ちが自然と湧いてきます。
予想外にさまざまな要素が詰め込まれていて、観終わった後は満足感がありました。キャラクターの描写に少し類型的かなと感じた部分もありましたが、問題ではありません。
公開3日目の週末にかかわらず、意外と空いていました。これは残念。幼児から小学生のお子さんがいる家庭には親子での鑑賞をおすすめします。また、この映画を観た後は、人体に興味を持つきっかけとして学習漫画や図鑑を与えると、さらに学びが深まりそうです。
映画史的に見れば、『インサイド・ヘッド』のように知識を楽しみながら得られるエデュテインメント作品の系譜でさね。楽しかった。映画館での偶然の出会いに感謝です!