丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部のレビュー・感想・評価
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二人は6年かけて、場所もテーマの様々な沖縄戦の図、全14部を描いていった。
先日、佐喜眞美術館で壁一面の大きな沖縄戦の図を見た。見た、という表現よりも、目の当たりにした、と言った方が適切かもしれない。結局沖縄は、沖縄人は、明治からこのかた日本人だと言われながらも、日本人扱いされてこなかった。朝鮮人と同じようによその国の人間としか見られていなかった。だから、米軍上陸という切迫した状況の中で、これほど残忍な扱いを受けたのだ。その事実に懐疑的な人は、この絵をこの美術館で見るといい。自分が沖縄の地でこの絵を見ているときの感情を素直に受け止めるといい。この美術館が、普天間基地に突き刺すような立地であることの意味をかみしめるといい。そして自分の心が落ち着いたとき、この時沖縄で起こったリアルを実感したあと、この絵が架けてある壁の反対側の壁にずらりと並んだ老人たちの顔写真をみるといい。彼ら彼女らの訴えかける真剣なまなざしを。当事者たちの叫び声が、どこかから聞こえてくるだろう。
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絵の意味や制作過程がよくわかる
美術館で一度丸木夫妻の作品展をみた覚えがあるが、このように一つひとつの意味や制作過程を描いてもらえると、なおわかり易い。集団自決についての様々な作品が想起されるとともに、現状について深く心に留め置くことが求められている気がした。
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