大地よ アイヌとして生きるのレビュー・感想・評価
全3件を表示
宇梶静江さんのドキュメンタリー
自然とともに生き、すべてを神として敬い尊重し、必要なだけ感謝とともに利用させてもらう。
日本古来の八百万の神よりもより自然と同化して過ごしてきた歴史や経験や受け止め方が伝わってきた。
和人に親和性のある生き方。
親しみが湧くけれども、違和感もある
俳優の宇梶剛士氏の母がアイヌの出自で、若い頃から啓発活動に取り組み、様々な文化賞を受け、評価されていることを初めて知った。よく知られている俳優の母であり、自分の母とも同年代であることから親しみをもった。近年の映画『アイヌモシリ』や、『バリバラ』「2.4時間テレビ」で描かれ、表明されていた若い世代の葛藤も深いことであろうが、殺生を伴うことについての違和感は、依然として拭えない。
ウェンシサムにならないように
自分も義務教育時代に「日本には農耕民族しかいない」と教えられてきた人間なので、そうかこういうところから疎外(阻害)の芽が生まれるんだなといろいろと反省してしまった。
宇梶静江さんが語るアイヌ文化…と言うよりは、宇梶静江さんの半生を通して知るアイヌの歴史と立ち位置とその文化と言いますか。
ナレーションは宇梶剛士さんです。息子さんですね。お声が聞き取りやすい。
身近なアイヌ文化を知る題材としてはゴールデンカムイとかシュマリとかがありますが、今作は当事者であるご本人が語るお言葉とだけあり、幼少時代のイジメ(疎外/阻害)から国が彼らの土地を取り上げた過去まで、生々しく語られていました。
またアイヌの歌やイヨマンテの場面まで触れているので、資料としても非常に貴重です。
なんで3.5かと言えば、ちょっと見せ方が叙情的過ぎて…海と詩の場面はもうちっとまとめてもらっても良かった(と言うか105分は個人的には長かった)。
ウェンシサムにならないように、もっとアイヌの方々とその文化に触れていきたいです。
全3件を表示