旅するローマ教皇のレビュー・感想・評価
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世界を駆け巡るスター教皇の精神性を見せる
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イタリア映画祭の特別上映で見た。かつてのヨハネ・パウロ2世のように世界伝道に熱心なフランシスコ教皇の世界各地の訪問の際の言動のみを、余計な解説や演出なく撮ったピュアなドキュメンタリーである。カメラが教皇の近くにあるので、ブラジルでは左右だけ開いたパパモビルに群衆が国旗やサッカーのユニフォームを投げ込むところなども見られた。コロナ禍の2020年にサン・ピエトロ広場で御付きがいるだけで一人で祈りを捧げる姿もあった。
冒頭は2013年に移民船事故が起きたランペドゥーサ島でのスピーチである。この映画を撮ったジャンフランコ・ロージ監督の前作がランペドゥーサを描いた「海は燃えている」であり、今年の冬には半島南部で移民船事故もあったように、現在も続く移民問題を想起させてくれる。刑務所の訪問や、カトリック聖職者の児童虐待についての反省の弁や、被害者たちのデモの様子も見られる。
これは幸い、秋から全国で上映されるらしい。現代世界の諸問題を考えるためにも、見るべき映画である。
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