To Leslie トゥ・レスリーのレビュー・感想・評価
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アンドレア・ライズボローの演技がすごい
アル中の中年女を演じるアンドレア・ライズボローの演技は、まさにアカデミー賞クラス。見入ってしまう。
ストーリーは変化に乏しく、後半は安易すぎる。
しかし、彼女の存在こそが、この映画の価値を生み出しているのではないだろうか。
アンドレア・ライズボローのアカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得の、痛々しくも感動的な一作
過去の過ち(または後悔)から立ち直ろうとする主人公を描いた作品としては、近作の『ザ・ホエール』(2022)をはじめ、ケイシー・アフレックがアカデミー賞主演男優賞を獲得した『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2017)など、多くの名作が存在します。それらの多くが男性を主人公としている一方で、本作のレスリーは、ジェームズという一人息子を育ててきた女性です。
シングルマザーとして様々な苦労を重ねてきたことは画面外からも伺えるんだけど、宝くじの賞金をアルコールで浪費してしまうほどに生活も性格も破綻をきたしたレスリーの姿はひたすらに痛々しく、観客の同情や共感を拒絶するかのようです。一旦は母親を引き取ろうとするものの、涙ながらに拒絶してしまうジェームズ(オーウェン・ティーグ)の方にこそ、気持ちを寄せてしまうほど。
ホテルの仕事を与えてくれたスウィーニー(マーク・マロリ)ら手を差し伸べてれる隣人はいても、ささくれ立ったレスリーの心はその好意を受け止めきれず、結局台無しにしてしまい、その後悔からさらにアルコールにのめり込んでしまう…。マイケル・モリス監督は、Netflixドラマ『ベター・コール・ソール』や『ハウス・オブ・カード』で多くのエピソードを手がけており、その経験に裏打ちされた、どん底に落ちた人間の生き様を描く手腕は見事です。
レスリーの彷徨は苦痛と絶望に満ちていて、鑑賞のかなりの時間はその赤裸々な状況を受け止めることになるので、相当に心の痛む体験となる人もいるでしょうが、人そのものの善性、そして人生のやり直しは可能という確固たる信念に裏付けされた物語は、決して観客を失意に置いたままにする、という意地悪な内容とはなっていません。
もちろん主演のアンドレア・ライズボロの演技は素晴らしいの一言ですが、彼女の演技はナンシー役のアリソン・ジャネイのこれまた素晴らしい演技によって引き立てられている部分も大きいので、ジャネイの姿にもぜひ注目して欲しいところ。
主演女優の演技は認めるけれど。
素直に涙する
よどみが流れ出ていくようで
宝くじが当たったので豪遊したら、アルコール依存症になった話。
(原題) To Leslie
【今年観て良かったリストに記載】
アンドレア・ライズボローの圧巻の演技を刮目して観て欲しい。
自暴自棄のやさぐれた人間が微かな希望を見出し再起への道を踏み出す、個人的に好きな脚本。反面この手のものは出演者の演技力が伴ってないと没入感どころか居た堪れなくて観てられないのだが、アンドレア・ライズボローに惹きつけられて秀逸な作品に仕上がっている。今年観て良かったリストに入った。
『真夜中のカーボーイ』のジョン・ヴォイト、『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドあたりを彷彿させる、魅力溢れたやさぐれ役、普段の美貌とのGAPにも驚嘆。アンドレア・ライズボロー出演作は今後も観たい…彼女の出演作を検索したら2020年 鑑賞済『ニューヨーク 親切なロシア料理店』に出てた女優さん、印象に残ってたがすっかり忘れてた。
人生の転落!!ロトでお金を得たレスリーが 落ちぶれた自分を見つめ直す作品
宝くじで大金を得て、一躍注目の的となった
シングルマザーのレスリーでした。
しかし、あっと言う間にお金を使い果たしてしまう!!
お酒に溺れて、タバコを吸う彼女の姿は
住んで居たアパートも追われて出る羽目になり
情けない女性、そのものでした。
息子さんの存在や、家族同然だった人たちが
レスリーを見放して、離れていく場面は
過ちを繰り返してはいけない!
お金ではだけではなく、信頼関係まで失ってしまうことを表していました。
ロトに高額当選した絶頂期のテレビ放送の
録画を見たシーンは、自分を見つめ直す
良い機会だったと思います。
レスリーに部屋の清掃の新しい仕事をくれた
ホテルの経営者は、生活の基盤を立て直す
良いチャンスを与えてくれた思いやりのある
男性でした。
同僚と部屋をきれいにする仕事をすることによって、今のままではいけないと気が付く
ことが出来たと思いました。
周りの人たちに疎まれていたレスリーでしたが、新しくオープンした店の1番最初に来た
お客さんが店に現れたとき!!
みんなは、レスリーを愛していて
見捨てるつもりでは無かった!
とようやく、第二の人生を送る兆しと
幸せそうに笑う姿が見られました。
料理の火を温めるように家族の愛を育んでいくラストシーンでした。
これはこれで良いのです。
ある意味強運
ノミネートに関する「すったもんだ」
このところ、少々忙しかったせいか「あ、忘れてた」ということ2、3つ。。いけません。その一つがこの作品、気づけば2週前に上映が始まっていて、スケジュールの都合から平日のサービスデイを諦め、本日土曜日に角川シネマ有楽町で鑑賞です。(それでも会員価格)
本作を知ったのは第95回アカデミー賞のノミネーション発表時、アンドレア・ライズボローが主演女優賞候補になったことがきっかけです。そもそも、アンドレアのことは認識していたものの、正直、名前までは憶えていなかったのですが、その後に彼女のノミネートのことでの「すったもんだ」が話題(雑音)になったこともあり、余計にその「主演女優賞候補の演技」を楽しみにしていました。で、鑑賞後の感想ですが、確かに凄まじい演技でノミネートされたことを納得できました。
酒に溺れ、人生を狂わせるレスリー(アンドレア)。誰かに手を差し伸べられても、ついつい酒に戻ってしまい、結局また相手を裏切ることを繰り返して追い出されます。「バカは死ななきゃ治らない」なんて言葉もありますが、観ているこっちは、いつ死んでもおかしくなさそうなレスリーをハラハラ、イライラ観るしかなく、もどかしかったり幻滅したり。さらには、自身の自業自得の言動によって狭い地元に「居場所」がなく、しらふでいてもカラまれることでまた悪循環。
いや、もう正直非常に疲れる展開ですが、そんな過酷な脚本に対するアンドレアの演技や彼女の体つきそのものが「レスリー」という人物像に説得力を感じさせてくれるからこそ、これだけの感情移入なのだと気づかされます。
と言うことで、観終わればノミネートに関するすったもんだ(省略しますが、知らないけど気になる方はググってね)についての「問題提起」の意味について少しは理解できた気がしました。ただ、日本での宣伝や上映規模など扱いは(それでも)小さいことからも解るように、私の文化にみる「現代的な価値観」は海外作品から知ることが殆どです。と言うことで、作品の内容とも相まって、深く考えさせられる作品でした。
さぁ、私も今日くらいは休肝日にしようかな。(出来るかな?)
どうしようもないアルコール依存症
大女優達のお墨付き⭐️
思いの外ハートフルだった、
アカデミー賞と聞かなければスルーしてた…
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