「落ちるところまで落ちたシングルマザー」To Leslie トゥ・レスリー himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
落ちるところまで落ちたシングルマザー
なにかの統計であったように思うのですが、高額宝くじに当たった人の実に6割が6年後に自己破産している。映画『To Lesile トゥ・レスリー』は、運命のいたずらに翻弄されて落ちるとことまで落ちた人間の物語。アメリカのプアホワイトがここにも出てくる。
当たった高くじが19万ドル 2500万円というのが微妙
テキサスのシングルマザーの主人公が当てた高くじ。
金額が微妙だよね。
ちょっとはめはずすとすぐなくなってしまいそうな金額。
案の定浮かれた主人公は、6年でお金を溶かしてしまう。
あげくのはてに、13歳の男の子をすてて逃亡。
酒に溺れる毎日。
どの顔下げて、息子や友人に泣きつけるかなと。
しかし、福祉の救済の貧困なアメリカのこと。
そこに頭下げるしかない。
主演アンドレア・ライズボローのあばずれぶりがいい
底辺まで落ちて、誇りもなにもかもなくなったアバズレを演じきった。
しかし、アメリカ南部テキサスの村社会を実感させるよね。
それと、安酒場の荒くれた雰囲気。
実際にこうなのかな。
日本の居酒屋の様な、和む感じがない。
ただ強い酒と卑猥な話、喧嘩。
ある一定層の庶民を描いている。
おおよそ、アメリカに対する憧れなんか生まれてこない。
アメリカに、はっきり存在する階層の格差。
多くの庶民の属する階層は、そうお行儀はよくない。
ただ、さすが南部と思わせるのは、いくばくか保守的教会の存在を感じさせるところ。
さあ、どう立ち直るのかな
ここが、この映画の見どころ。
日本のような、セーフティーねっとなどない。
保守的な教会が未だ影響力ということは、彼らの考えは、金がないなら働け。
根本主義的聖書の解釈とはそういうもの。
だから、アメリカは困窮者に対する福祉という考えは弱い。
さあ、彼女はどうはいあがろうとするだろう。
アメリカンドリームなんて死語。
一度踏み外した人生。
宝くじにさえ当たっていなければ。
実に世の不条理である。