法廷遊戯のレビュー・感想・評価
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胸に響く本格ミステリー
原作未読です。
主演の俳優、女優さんが良いし、脇役キャストもベテラン陣が固めてたので良さそうだなと鑑賞。
予告でも期待高まっていましたが、本編は本当にノンストップトライアングルミステリーでしたね。
中盤からの謎が謎をよんでいく辺りから目が離せない。最後にちゃんと前半の伏線を回収していく様は爽快で、複雑すぎて分からない、といった事が起きにくい。ミステリー慣れしてない人にも見やすかったと思います(自分がそう)
一緒に行った10代娘も観やすかった様で面白かったとの事。また観れるとまで言ってました。
杉咲花さんは圧巻。。凄いの一言!
それを受ける静の永瀬廉さん、感情を大きく動かす人物像ではないからこそ、目の一つ一つの動きや微妙な表情の演技が、清義にピッタリでした。
朝ドラの時もでしたが、繊細な演技が光る方ですよね。アイドルを消してたのがすごい。
北村匠海さんも全てを知る馨のミステリアスさが光っていて、不良役から年下男子役から何の役目でもこなしてしまうので、流石だなぁといったところ。この3人が今共演してくれたことに感謝。
冤罪、無罪について。正義とは何か…
考えさせられる深いテーマ。
観て良かったです。面白かった!
3人が貫いた正義に考えさせられる作品
モノクロの駅のホームでのシーンからスタートするが原作を読んでいない限りいつのなんの場面なのかいまいち分からない。
無辜の説明のナレーションでぐんっと法廷遊戯の世界へ進んでいく感じがした。
映画の世界観に一瞬で惹き込まれる無辜ゲームのシーンは舞台が洞窟ということもあり不気味さと異様な空気感があった。
暴かれる清義の過去と開かれる無辜ゲーム。
そこで真相を明らかにしていく清義に弁護士の素質を感じ、新たな謎もうまれる。
この物語は久我清義、織本美鈴、結城薫と言うロースクール同級生の3人がそれぞれの過去を抱えながら自らの正義に気付いたり、それを貫こうとする物語だが、現実はそう簡単に思い通りに正義は貫けないことを痛感させられる視聴者にも委ねられている映画。
主役3人のそれぞれの役の性質をしっかり理解した上で細やかに時に大胆に描かれている演技が素晴らしかった。
決してハッピーエンドではない。
誰の目線で見ても確実に救われた人物は見当たらない。
重くのしかかる作品のラストシーンがテラスでのシーンであったこと、エンドロールに流れる主題歌の儚くも強く優しい曲がどこか救ってくれた印象を感じた。
主人公の3人それぞれの目線で見るとまた違った感情が湧き上がり、苦しさ、絶望感、面白さなど見終えた後の心持ちもかなり違う。
ぜひそれぞれの目線でも楽しんでみてほしい作品。
また見たい映画
学園物と思わせてからの
面白かった
バッドエンドなのか望みがあるのか見る側に委ねられる
【正義とは】について改めて考えさせられる内容。自分にとっての正義は誰かにとっての正義ではない。個人的にはカオルの冤罪と無罪についての説明がとても印象深かった。
永瀬さん主演という事だったが、これはトリプル主演と言ってもいいくらい3人それぞれの正義がうまく絡み合ってまとまっている。それぞれの視点でもう一度見たいと思わせられる作品だと思った。
あと、セイギの感情の変化が永瀬さんの瞳から伝わってくるようで、言葉にしないお芝居が上手な方だと思った。
静かに驚く作品
司法制度は正しく裁かれ救われるものではないと考えさせられた
冤罪と無罪
五十嵐律人原作の法廷サスペンス・ミステリーの映画化。法廷闘争らしく、展開が二転三転し、結末も最後の最後まで見えなかった。最初に、『冤罪と無罪の違いについて』の問答シーンが映し出されたが、これが本作品の柱となるテーマであることを、観終わった後に確認できた。
つまり本作の面白さは、単なる殺人事件の犯人を追うのではなく、過去に遡っての冤罪事件が深く絡み合った人間模様が描かれているところだ。そして、司法の場で冤罪を引き起こしてしまったの過ちの重さが、今回の事件の引き金となって、その『罪と罰』にもスポットが当てられて、ヒューマン・タッチな面白さも増している。
ロー・スクール出身者で大学の研究生をしていた男が殺された。その事件を巡り、同じロー・スクール出身者の3人が、奇しくも被害者・加害者・それを弁護する弁護士の立場となって、被害者死亡の中、加害者の無実を求める裁判が開かれる。審議が進む中で、被害者が隠し持っていた秘密のデーターが明らかになり、それぞれの忌まわしき過去に纏わる、人間模様が絡み合って映し出されていく。
主演のセイギ役を務めた永瀬廉は、事務所もいろいろと大変な時期ではあるが、忌まわしき過去を引きずりながらも、その感情を表に出さない淡々とした演技に好感が持てた。被害者となった北村匠は、セイギとの切なく微妙な役所を上手に演じ、永瀬を引き立てていた。そして、加害者役の杉咲花のラストシーンは圧巻。鬼気迫るものがあった。
しかしながら、物語の殆どが、主役を張れるこの3人で展開されていくので、真相こそ最後まで読めなかったが、この3人の中に真相があることは、早々に誰もが気づく。もう少し観る者が、ミスリードするような登場人物や設定を加えた方が、展開としては面白くなったのではないだろうか…。
点と点がつながり、何度も覆される後半が圧巻
娯楽作の形を取りながらも、ずっしりと心に残る良作。
前半は、複数の時間軸と、各自の目線から見た事実が淡々と描かれ、つながりが見えないまま進む。後半に入ると、点と点が一気に結びつき、謎が解けた気になったところで、何度も覆される。
大げさな演出はほぼ皆無で、BGMもないのに、緊迫感とやるせなさで身動きできず・・・。それだけに最後に流れる壮大な主題歌が胸に沁み込み、ようやく息ができる気分になりました。
誰かと語り合いたくなる、語り合わないと消化しきれない、深くて切ない物語でした。
(一点だけ、3人が同じロースクールに来た経緯が描かれておらず、一見、ご都合主義に思えてしまうのがモヤっとしました。もちろん理由は推測できるのですが)
大変素晴らしい作品だからこそのマイナス点
この映画は作品として大変素晴らしいと思った。
しかしそれが故、二転三転、何転したか分からない複雑な展開で、映画を観ている自分が、今それをどの様に解釈しているのか?それは合っているのか?分からなくなっている。見終わってもなんかモヤモヤしている。
映画の結末に納得していなくてモヤモヤしている訳ではない。多分映画のその時点その時点の消化しきれていないものが蓄積してしまった自分自身にモヤモヤしているのだろうと思う。
実社会で今も起きている、冤罪、人それぞれの正義感、どちらも正しい正義、裁判の限界。
普段は縁遠いと思っている裁判ではあるが、実は普段から強く意識していなければいけない事。
何回も見て作品を深く理解することが出来たら、もっともっと どんどん評価が高まる映画であろう。
杉咲花さんのラストの怪演は特に素晴らしかった。
3人の人生が切ない。余白があり考えさせられる映画。
世の中って狭いねってお話?
原作未読
過去の冤罪事件に関わっていた3人の高校生?が同じロースクールで一緒になり、共に司法試験に合格し、数年後1人は殺害され、1人はその被告、1人はその弁護人になる。
仕組まれたこととは言え、ご都合主義が過ぎて安っぽさだけが際立てってしまい醒めたと言うか萎えたと言うか・・・。
監督は「ドクター・デスの遺産」(これしか観たことないけど)の深川栄洋。
意味ありげに画面にやたら映っている裁判官を演じていた宮澤美保は監督の奥様とのこと。
戸塚純貴、大森南朋、杉咲花の状況にマッチしているとはとても思えない唐突なオーバーアクションでエキセントリックに騒ぎ立てる演技は何を狙った演出なのか知りたい。
警察が調査しても見つける事が出来なかった証拠(しかも今回は犯行現場の動画というこれ以上ないもの)を後から出してくるパターンは最近のリーガルサスペンスものではよく見かけるが、如何に主役側がその証拠を不自然無く手に入れ、合理的に裁判証拠として提示するかの重要性をなんとなく感じた。
馨はセイギが父親のリュックを引っ張った事を目撃したにも関わらず何故当時証言しなかったのか? また犯行動画では美玲が割と自分からも刺しに行き、しばらく立ち上がって来ないように見えたので全くの手放しで無実とも思えなかった。
エンタメ作品なので重箱の隅的な事を言うのは無粋だが、原作ではその辺りについても納得の行く描写であったと思いたい。
全体的に評価は高いようだが、自分的には配信まで待っても良かったかなと思った。
深く考えさせられる映画です
初見はストーリーの展開についていくので精一杯でしたが、もう一度みると3人それぞれの秘密に対する心情や台詞について考える余裕もできました。また無罪・冤罪、法律社会における問題点についても考えさせられました。馨の司法に対する理論は的を得ているのかもしれません。自分の中の正義は何か。自分を見つめ直す機会にもなり、法学部に通っていた妹にもオススメしてみようと思います。
スリリングな謎解きの終点に、観客に深い問いを突きつける意外性が魅力
精緻なパズルのように組み立てられたストーリー。主役3人の過去のピースが少しずつ明らかにされて謎がほどけていく過程が美しい。
杉咲花さんのピュアで危うい愛情表現に圧倒される。杉咲さん演じる美鈴が歩んできた人生とその果てに取った行動を思うと泣きたくなる。永瀬廉さんの抑えた「静」の演技が、その美鈴をガッチリ受け止めて、物語を成り立たせている。永瀬さん演じるセイギが心を揺さぶられ、接見室で目をじっと閉じる瞬間が忘れがたい。そして、セイギと美鈴、北村匠海さんの馨の3人の関係性とそれぞれの取った行動が明らかになったとき、観客に大きな問いが投げかけられる。
罪っていったいなんなんだろう?
罪を償うってどういうことを指すんだろう?
この3人には、この結末しかなかったんだろうか?
分かりやすくて明るい映画が見たい気分のときはお勧めしませんが、100分というコンパクトさで、最後の深い問いかけに向かって全てが収斂していくとても緊張感のある映画。華やかなキャストの関係性が、恋愛や友情、復讐といった言葉だけでは語れない複雑さで表現されているのもとても魅力的な作品です。
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