法廷遊戯のレビュー・感想・評価
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「フーダニット」より「ホワイダニット」
原作者の『五十嵐律人』は現役の弁護士と聞く。
本作での描写がどの程度、彼の体験を反映したものかは分からない。
とは言え、ある程度はそれを踏まえたものになってはいるのだろう。
そう勘案したときに、
冒頭に展開される二つの「無辜ゲーム」についてのエピソードには
唖然とさせられ、情けなさが満ち溢れる。
法曹を目指す若者たちは、本当にこんなに低レベルなのか、と。
第一のゲームについては、
たいした証拠も無しに思い込みだけで被疑者を槍玉に挙げる。
第二のゲームについては、
前段として主人公の過去が知られることで同期の学生たちからバッシングを受ける。
前者であれば真相をミスリードするあってはならぬ行為だし、
後者に至っては罪を問われなかった者を差別するのはあり得ないこと、
ましてやこれから法の世界を目指そうとするのであれば猶更。
のちにふれられる、起訴された際の有罪率の高さも合わせ、
日本の法曹に切り込む、鋭いまなざしではある。
起きた殺人事件の犯人は、最初から明白で特に迷う点は無し。
しかし、その動機や理由が明らかになるに連れ、
事件が起きた背景は異なる側面を見せ始める。
同じロースクールに通う
『久我(永瀬廉)』『織本(杉咲花)』『結城(北村匠海)』の三人を繋げた
複数の悲しい過去の出来事は、
いずれもが日本に蔓延る闇であり、
先にも挙げた法制度上の間隙によるもの。
謎解きよりも、寧ろそこに焦点をあてた作品と思われ。
広告のキヤッチには二転三転とあり、
幾つかの評には四転五転ともあるが
その表現はどうにも当たらず。
薄皮が剥けるように過去が明らかになるに連れ
見えてくる真実との言が的を得ているよう。
主演の『永瀬廉』の表情が
どうにも自信無さげで頼りないことこの上ないのは残念。
自分だったら、こうした人には
依頼したくないと思ってしまうほどの。
そして裁判後の彼の身の振り方の選択にも、
がえんぜられないものがある。
責任の取り方はさまざま。
今後は同じ境遇の多くを救うのも路の一つと思えるのだが。
息がつけない怒涛の展開と俳優の気迫
真実は藪の中
正に法廷を利用し冤罪を晴らすために、
ゲーム場の様に司法関係者自身の過去の犯罪と現在の犯行で展開された愛憎劇。
次々と後から後から犯意とその事実が映し出され、
それでは正道は?
クリステーの、そして誰も居なくなった、
ではないか。
不利なことを証言しなくてもいい日本の法廷では、
正義がないことは自明であることを、
結城君こと意地悪な五十嵐弁護士に言いたくなる。
とっても面白いが三人三様の欲が見えたとき、
クワハラクワバラです。
真犯人は1番得をした人かも⁈
( ^ω^ )
第62回メフィスト賞を受賞した作家・弁護士の五十嵐律人による法廷ミステリー小説を、アイドルグループ「King & Prince」の永瀬廉主演で映画化。
弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(きよよし)と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨は、共に勉強漬けの毎日を送っていた。無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくる。しかし、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かびあがっていき、事態は二転三転していく。
主人公セイギを永瀬、美鈴を杉咲花、馨を北村匠海が演じ、ロースクールの教授・奈倉哲役で柄本明、セイギの過去を知る弁護士・釘宮昌治役で生瀬勝久、警察官である馨の父・悟役で筒井道隆、物語の鍵を握る何でも屋・沼田大悟役で大森南朋が共演。「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンをとり、「総理の夫」の松田沙也が脚本を手がけた。
ひたすらに難しい内容かと思いきや
原作未読です。
もっと、法律法律してるのかと思ってたら比較的、感情論のお話だったので、より一層、複雑な人間関係の物語だったなと。すっきりした終わりだったけどエンディング以降の考察が見る人によって変わるんじゃないかなという、観てからも楽しめる作品だったのではないかな。
裁判中の嘔吐されるシーンがちょっとリアルすぎてもらいでもどしそうになったので演技としては良いことなのですが、そんなに何回もいるかな?という気持ちで星一つ減らしました。
夢中で観れた
令和版白夜行的な
3人の幸せを願う映画でした
最後は色々なことを考えて涙が溢れます
一回観るだけでは物足りない
有意義な時間だった!
スクリーンで観るべき、屈指の名作
正義とは何なのか
人にとっての正義とか何なのか、考えさせられる映画でした。
人それぞれの正義があり、正しいと思ってやっていることも、他の人にしたら正義ではなく、悪だったり…。
しかし総じてこの映画に出てくる主要人物みんなに感情移入してしまいます。
誰が本当のことを言っているのか、最後にそうくるのか!全然目が離せません。
恋愛映画ではありませんが、とても切ない映画です。
でも最後にking&Princeの愛し生きることが流れてくると、救われた気分になり泣きそうになります。というか泣きます。
永瀬廉くんの目の表情の演技にもぜひ注目していただきたいです。本当に場面場面ですごく絶妙な良い表情をするなと思いました。杉咲花さんの演技も圧巻です!北村匠海くんもその役そのものが実写されていて原作を読んでからの映画でも全く違和感ありませんでした。
法廷遊戯
観賞後座席から立ち上がれなくなるほど、重みのある作品だった。
誰かを護る為であったとしても他者を害した事実は消えることはない。けれど、法によって人は赦しを得られる。法によって裁かれ罪を償うことが救いとなることもある。
この映画を通して、その意味を初めて考えた。
空に向けて微笑んだ清義が歩み出す。
そこだけ世界が違うような美しくたおやかな笑みだった。
脳裏に浮かんだのは、例え刹那であったとしても確かにそこにあった友との記憶なのであろうか。
生きて見届けることすら出来なくなったとしても、清義の選び行く先を馨は信じていた。そして清義は違えずに選んだ。その結末に私が感じたのは、不思議なほど穏やかな安堵感だった。
人生を大きく変える決心を実行する時、清義は馨の真意を鮮明に感じたのではないか。
…同害報復は寛容…赦すための贖罪…。
法曹の友情はだいぶエッジの効いた友情だと感じた。
私のそうであって欲しいという願いも込みで、きっとこの法廷での遊戯は馨の全てを賭した願いを実現する舞台であり、同時にここから生きてゆく友人:清義への馨なりの餞なのだと思った。
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