法廷遊戯のレビュー・感想・評価
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We Will Rock You
「ドクター・デスの遺産」の監督というところが引っかかりましたが、本職の弁護士の方が原作を書かれているので、変な味付けをしなけりゃ面白くなるだろうなと思い鑑賞。特典はジャケットを模したキラキラシールです。
題材の良さは光るのにやはり変な調理をした結果、どこか陳腐なものに仕上がっていました。この監督とはやはり相性が悪かったです。
最初の無辜ゲームが安っぽくて、あぁこれは地雷を引いたかもしれないと思いました。
司法試験に受かるための猛勉強でのストレスを疑似裁判で発散しようとかいう考え方からまず理解できませんでしたが、内容も中々に稚拙…。スマホの画面が割れたから器物損害だー!という筋はまぁ分かるんですが、小学生や中学生の世界ならまだしも、大学生にもなって何やってんだという羞恥心で観ていました。しかもなんでみんなの"We Will Rock You"が流れた時のファンのような足踏みをしているのか、最後まで明かされることはありませんでした。
そんな学生時代はあっという間に過ぎて、清義が弁護士になって働いていたところに馨から連絡が来て「最後の無辜ゲームをやる」というので見に行ったら、美玲が馨を刺した状態で返り血を浴びていて、私を弁護して助けてほしいと懇願されるという中々複雑な状態で物語が進められます。ここでいきなり弁護士事務所を辞めて自分の事務所を建てた清義の行動には首を傾げましたが、まぁそこはもう細かすぎるので無視でいいかなと呑み込みました。
ただここから、色々と設定や内容が合わない部分が多かったのでキツくなっていきます。
弁護する方法が限られているという状態で、弁護をどうしていくのかというのが面白いと思うのですが、割と裁判直前まで検事側に悪態をついたりとしているので、あまりこの時点で良い印象は抱いていませんでした。
いざ始まった弁護の時のビデオを流す時も、割とショッキングな映像を流すはずなのに、注意喚起も何もしなかったのは、弁護士以前に死を題材として扱う人間として大丈夫なのかと色々心配になるシーンでした。
原作にあったらしょうがないとは思うんですが、大森さん演じる沼田という男が出会った最初はオドオドしていたのに、法廷に現れると何故かキレまくる変人になっていたのが謎でした。
もしかしたら、そうなる要因があったのかも知れませんが、今作ではそれを描かないどころか、何故か裁判員の1人に狙いをつけて罵声を浴び続けるという不可解なシーンがあります。物語上必要性は感じませんでしたし、やらされる方もやられる方も不憫で仕方がないなと思いました。監督は裁判員の俳優さんに何か恨みでもあったんじゃないかレベルの酷さでした。この人ばかりにクローズアップして卒倒したり、嘔吐する様子を延々映しているのも全く意味が分かりませんでしたが。
今作の題材は時効になっていない過去の冤罪を有罪にするという法の抜け穴を突いたような興味深いものになっていました。実際、その展開になってからはまだ面白いかなと思いました。
獄中で頑なに喋ろうとしない美玲にはそういう事情があったからなのかというのが後出しで出されはしますが、そこら辺はスリルがあったのでまだ良かったと思います。
駅のホームでの落とした落としてないのノリは完全に美玲が悪いだろと冷めた目で見てしまいました。
終わり方も尻すぼみというか、綺麗にまとめた風に終わらせていたので、冤罪証明のその後が全く描かれず、学生時代のキラキラで終わるなんて投げっぱなしエンドに ため息が出ました。
俳優陣は可もなく不可もなくといった感じです。主演3人の中で1番安定していた北村くんの出番がそこまで多くないので、その辺りのバランスもグラグラしていたなと思いました。
永瀬くんも覇気のない役とはいえ、ここまで光らないものなのかと思ってしまいました。
杉咲花さんは可愛さが全面的に出てしまったのが、後半の悪女っぷりにノイズが出てしまったかなと思いました。絶叫するシーンも申し訳ないんですが、耳がキーンとしてしまいうるさいとまで思ってしまいました。
これは監督のやり方だと思うんですが、ドクター・デスに続いての問題でメインの俳優陣以外がほんと空気なところです。割と脇を固める布陣は豪華だなと思ったら友情出演かってくらい登場時間が少なく、役者を背景にしか思ってないのかってくらい存在感が薄かったです。この部分が直らない限り、この監督の作品を好きになる事はないと思います。
音楽の使い方も酷くて、モノローグで語るシーンなんかにもポップなBGMを被せてきたり、ここが正念場!なんでシーンにも気の抜けたBGMを垂れ流してくるので、その度に集中力が削がれていきました。
上映時間が短かったのは良かったですが、わざわざ劇場で観るもんでは無いなと思いました。どうしてこうなったんだ…。
鑑賞日 11/11
鑑賞時間 12:00〜13:50
座席 G-8
問いかけられる作品
ナイスコントロール
ノンストップ法廷ミステリーだけど、深い人間ドラマでもあり、映画が終...
ノンストップ法廷ミステリーだけど、深い人間ドラマでもあり、映画が終わったあとも余韻が残りすぐには席をたてませんでした。
永瀬廉くん演じるセイギの穏やかでピュアな透明感の裏に感じる過去からくる危うさ、杉咲花ちゃん演じる美鈴の狂気、北村匠海くん演じる馨のカリスマ性。
本当に3人とも素晴らしかった!!!
どの立場から見るかによって、ラストの感じ方は変わると思います。私も一回見たらすぐまた見たくなって、みにいきました。何回みても飽きないんです。見るたびに新しい感情が湧いてでてきます。
ストーリーもテンポ良く、現在と過去をうまくリンクさせながら、原作を読んでなくても、法律や法廷の事など何も知らなくても本当にのめり込める素晴らしい映画でした。
どなたにもお勧めです!
視点を変えてまた観たい
始まってすぐはさらっと観る映画かなと思いつつ、どんどん引き込まれてというか席に張り付けられたような気持ちで観続けました。
3人みんな辛い過去で誰の立場に立っても仕方がないと思ってしまった。
特に杉咲花さんの絶望を繰り返して正しくなくても支え合って生きてきた人間に説教する大人の方が悪いと思わされる目や表情が忘れられません。
永瀬廉さんは暗く気怠げさがあるのに周りの人が見守りたくなるピュアさのバランスがあって馨が日記を託して良心にかけたことに納得できた。
声が澄んでいて希望があるのではと観つづけられた。
北村匠海さんは出番は多くないのに存在感が強く、見終わった後に冤罪とは、、のセリフにどんな意味があったのかわかると生きていて見届けて欲しかったなと。
美玲から見ると選び続けた先に救いがなくて辛すぎるが馨にとっては再審請求はできなくても復讐は果たせたのかな?
主題歌のきれいな声と歌詞を聞いてやっと少しふたりの生きる先に希望を少し感じて席を立てました。
それぞれ視点を変えてまた観てみてたい作品でした。
考える映画
素晴らしかった
何度も観たくなる映画!
真相にたどり着くまでに二転三転、それ以上転回し、最後の最後まで目が離せない。
法廷ミステリーといっても難しい法律用語の羅列や、「異議あり!!」などという激しいやり取りはさほどない。
よい意味で淡々と法廷のシーンは進んでいく。それにより緊張した法廷の空気感をリアルに感じられるし、話も理解しやすい。法廷系の映画を観ない人でも抵抗なく観られると思う。
そして静かな緊迫感を持って物語が展開していくからこそ、永瀬廉さん、杉咲花さん、北村匠海さんの演技がとても光る。表情、声色、呼吸、目や喉の動き…細部からその人物の感情が痛いほど伝わり、スクリーンに目が釘付けになる。特に杉咲花さんの演技は圧巻。
正義とはなにか、その正義はなぜ芽生えたのかを考えさせられる、年齢性別関係なく楽しめる映画。
「フーダニット」より「ホワイダニット」
原作者の『五十嵐律人』は現役の弁護士と聞く。
本作での描写がどの程度、彼の体験を反映したものかは分からない。
とは言え、ある程度はそれを踏まえたものになってはいるのだろう。
そう勘案したときに、
冒頭に展開される二つの「無辜ゲーム」についてのエピソードには
唖然とさせられ、情けなさが満ち溢れる。
法曹を目指す若者たちは、本当にこんなに低レベルなのか、と。
第一のゲームについては、
たいした証拠も無しに思い込みだけで被疑者を槍玉に挙げる。
第二のゲームについては、
前段として主人公の過去が知られることで同期の学生たちからバッシングを受ける。
前者であれば真相をミスリードするあってはならぬ行為だし、
後者に至っては罪を問われなかった者を差別するのはあり得ないこと、
ましてやこれから法の世界を目指そうとするのであれば猶更。
のちにふれられる、起訴された際の有罪率の高さも合わせ、
日本の法曹に切り込む、鋭いまなざしではある。
起きた殺人事件の犯人は、最初から明白で特に迷う点は無し。
しかし、その動機や理由が明らかになるに連れ、
事件が起きた背景は異なる側面を見せ始める。
同じロースクールに通う
『久我(永瀬廉)』『織本(杉咲花)』『結城(北村匠海)』の三人を繋げた
複数の悲しい過去の出来事は、
いずれもが日本に蔓延る闇であり、
先にも挙げた法制度上の間隙によるもの。
謎解きよりも、寧ろそこに焦点をあてた作品と思われ。
広告のキヤッチには二転三転とあり、
幾つかの評には四転五転ともあるが
その表現はどうにも当たらず。
薄皮が剥けるように過去が明らかになるに連れ
見えてくる真実との言が的を得ているよう。
主演の『永瀬廉』の表情が
どうにも自信無さげで頼りないことこの上ないのは残念。
自分だったら、こうした人には
依頼したくないと思ってしまうほどの。
そして裁判後の彼の身の振り方の選択にも、
がえんぜられないものがある。
責任の取り方はさまざま。
今後は同じ境遇の多くを救うのも路の一つと思えるのだが。
息がつけない怒涛の展開と俳優の気迫
真実は藪の中
正に法廷を利用し冤罪を晴らすために、
ゲーム場の様に司法関係者自身の過去の犯罪と現在の犯行で展開された愛憎劇。
次々と後から後から犯意とその事実が映し出され、
それでは正道は?
クリステーの、そして誰も居なくなった、
ではないか。
不利なことを証言しなくてもいい日本の法廷では、
正義がないことは自明であることを、
結城君こと意地悪な五十嵐弁護士に言いたくなる。
とっても面白いが三人三様の欲が見えたとき、
クワハラクワバラです。
真犯人は1番得をした人かも⁈
( ^ω^ )
第62回メフィスト賞を受賞した作家・弁護士の五十嵐律人による法廷ミステリー小説を、アイドルグループ「King & Prince」の永瀬廉主演で映画化。
弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(きよよし)と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨は、共に勉強漬けの毎日を送っていた。無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくる。しかし、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かびあがっていき、事態は二転三転していく。
主人公セイギを永瀬、美鈴を杉咲花、馨を北村匠海が演じ、ロースクールの教授・奈倉哲役で柄本明、セイギの過去を知る弁護士・釘宮昌治役で生瀬勝久、警察官である馨の父・悟役で筒井道隆、物語の鍵を握る何でも屋・沼田大悟役で大森南朋が共演。「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンをとり、「総理の夫」の松田沙也が脚本を手がけた。
ひたすらに難しい内容かと思いきや
原作未読です。
もっと、法律法律してるのかと思ってたら比較的、感情論のお話だったので、より一層、複雑な人間関係の物語だったなと。すっきりした終わりだったけどエンディング以降の考察が見る人によって変わるんじゃないかなという、観てからも楽しめる作品だったのではないかな。
裁判中の嘔吐されるシーンがちょっとリアルすぎてもらいでもどしそうになったので演技としては良いことなのですが、そんなに何回もいるかな?という気持ちで星一つ減らしました。
夢中で観れた
全669件中、381~400件目を表示