「スリリングな謎解きの終点に、観客に深い問いを突きつける意外性が魅力」法廷遊戯 そらさんの映画レビュー(感想・評価)
スリリングな謎解きの終点に、観客に深い問いを突きつける意外性が魅力
精緻なパズルのように組み立てられたストーリー。主役3人の過去のピースが少しずつ明らかにされて謎がほどけていく過程が美しい。
杉咲花さんのピュアで危うい愛情表現に圧倒される。杉咲さん演じる美鈴が歩んできた人生とその果てに取った行動を思うと泣きたくなる。永瀬廉さんの抑えた「静」の演技が、その美鈴をガッチリ受け止めて、物語を成り立たせている。永瀬さん演じるセイギが心を揺さぶられ、接見室で目をじっと閉じる瞬間が忘れがたい。そして、セイギと美鈴、北村匠海さんの馨の3人の関係性とそれぞれの取った行動が明らかになったとき、観客に大きな問いが投げかけられる。
罪っていったいなんなんだろう?
罪を償うってどういうことを指すんだろう?
この3人には、この結末しかなかったんだろうか?
分かりやすくて明るい映画が見たい気分のときはお勧めしませんが、100分というコンパクトさで、最後の深い問いかけに向かって全てが収斂していくとても緊張感のある映画。華やかなキャストの関係性が、恋愛や友情、復讐といった言葉だけでは語れない複雑さで表現されているのもとても魅力的な作品です。
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