「主人公の意気に感じてください」ハマのドン はんぱかさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の意気に感じてください
意見や立場は異なるけれど、なぜか惹かれて応援したくなる人はいませんか。このドキュメンタリーの主人公、藤木幸夫が僕の近くにいたら、僕はきっと彼を応援したくなったに違いありません。
彼の魅力が具体的にどこにあるのかは、映画を観て見付けてください。今、僕が一言でそれを言うなら、「困難であっても、“正しい”ことをしている」点です。何が正しいかは意見が割れそうですが、最低限、「ダメなものはダメ」は同意を得やすいのではないでしょうか。例えば、相手をだまして協力を取り付けたり、権力で相手をねじ伏せたりするのは悪いことで、そんなことをさせないのは、ほとんどの人にとって正しいことではないでしょうか。このドキュメンタリーでは、本当にそんな場面が現れます。作り話じゃないんですよ。
さらに、この映画が面白いのは、「敵役」の攻撃に対して、藤木の味方、つまり横浜の港湾労働者たちが団結を保つ上に、市民運動と合流するところです。そして、その勢力を強めつつ、最大の山場である横浜市長選挙に突入していきます。さあ、その結果はいかに…。って、本当はニュースになったのですが、ここでは伏せておきます。
なお、藤木のような与党(政権政党)の重鎮と市民運動家とは、普通は水と油です。そんな市民が藤木に魅了されています。彼らが藤木の覚悟に感じ入ったのです。これからこの映画を観る人も、藤木の意気に感じてください。
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