プチ・ニコラ パリがくれた幸せのレビュー・感想・評価
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作家の想像力をアニメーション化
児童書を単純にアニメーション映画化するのではなく、その児童書を描いた2人の作家の友情と創作過程を見せる二重構造を描いているのが良い。2人の作家が描いた絵が命を持って動き出す、それがアニメーションで生き生きと表現される様は、より2人の作家の内面に切り込んでいくような感覚を与えてくれる。
2人の作家が、二コラという少年に何を託してあのような物語を編み続けていたのか、幼少期の戦争体験など過酷な体験が背景にあることが次第に明かされていく。プチ・二コラの温かい物語はどんな想いで生み出されたのか、その想像力の源泉に、このアニメーション深く迫っていく。本当に素敵な作品だ。
想像力の翼はどこまでも広げることができると素直に信じることは、子どもにはたやすいが大人には難しい。しかし、この2人の作家は大人になってもそういう気持ちを持ち続けた稀有な存在だ。この映画を見ると、プチ・二コラの世界観も好きになるが、それ以上に「こういう大人になりたい」と思わせてくれる、大人のためのメルヘンだ。
【”仏蘭西児童書の悪戯好きな、愛されキャラは永遠に・・。”仏蘭西の国民的ベストセラー児童書「プチ・ニコラ」誕生秘話を二人の作者の人生に”ニコラ”を入れて描いた品のあるアニメーション映画。】
■イラストレーターのジャンジャック・サンペと作家のルネ・ゴシニは1955年、物語の制作を始める。
主人公は悪戯好きの小学生”プチ・ニコラ”である。
◆感想
・子供時代、ルネ・ゴシニは親族がナチスにより収容所に行かされたまま、帰らないという哀しき経験を。
ジャンジャック・サンペは父親がアル中であった事、母親のDVに耐えられず家を飛び出した事を。”プチ・ニコラ”に話す。
だが、二人はその哀しみをバネにして、”楽しい子供時代”の物語を作ったのだ。
・絵のタッチは水彩画のようで、ジャンジャック・サンペがルネ・ゴシニのアイディアを真っ新な紙に具現化していく様がとても美しい。
特に、ペンタッチの部分など。
<1977年、ルネ・ゴシニは僅か51歳で他界するのだが、彼とジャンジャック・サンペが産み出した「プチ・ニコラ」は、幼い時に「プチ・ニコラ」に魅了された仏蘭西国民の心の中に永遠に生き続けるのだろうな、と思った作品。>
<2023年7月16日 刈谷日劇にて鑑賞>
心温まるほっこりアニメ映画
永く愛されるフランス生まれの児童書の誕生秘話。原作者2人の人生から生じた想いが自然と投影された作品だからこそ、二コラの世界は明るく、笑顔で、観ると心が温かくなる作品。これ観たら、原作も読みたくなる。
ニコラの家庭や周りは、特別なわけじゃなくて、誰しもが憧れる「普通」が散りばめられているからこそ、観る人の心をくすぐる。
そして、それは共同制作者二人が幼少期に欲していた「普通」でもある。
そう考えるとニコラの世界って普通なんだけど、誰もが手に入れられるとは限らない特別なものなんだな。
なんて可愛いニコラ
「プチ・ニコラ」の物語と、製作者であるサンペとゴシニの人生が、融合したアニメーション。可愛いニコラに笑いながら、製作者たちの友情に涙しました。画用紙に、ペンでカサカサって絵を描く感じ、水彩画のような、スケッチのような、作り込みすぎてないアニメーションが素敵でした。音楽が良かったですねーー。
イメージ通りのパリの風景も良かったです^_^
美しいartの時間
水彩画が滲む演出やインクで描かれていく世界何もかもが美しく愛おしい世界
プチニコラを知らなくても楽しめるし、知っていれば益々愛おしくなるそんな映画でした。
プチニコラの生みの親の2人の史実を交えながら優しい時間を過ごせる、贅沢な映画でした。
Merry Yummy
原作の存在は知りませんでしたが、絵本のタッチで動くアニメーションに惹かれて鑑賞。
プチ・ニコラという物語を作った原作者たちのバックボーンを面白おかしく語るコメディですが、原作者たちの願いも強く込められている作品だなと思いました。
子供時代に良い思いをできなかった2人の原作者が込めた思いは素直に強く育って欲しいというもので、ニコラはそれはそれは活発に成長して世界を知っているので、原作者の想いはしっかりと受け継がれているなと思いました。
絵本タッチのアニメーションは新鮮でしたし、アニメだからこその描写も多く観られてとても良かったです。原作本も読みましたがこれまたホッコリするのでオススメです。
鑑賞日 6/22
鑑賞時間 11:40〜13:15
座席 G-13
ニコラの居場所は変わらない。
フランスの郊外で大好きな両親と沢山の友達に囲まれて暮らすわんぱく少年ニコラ。彼は世界中で愛される児童書『プチ・ニコラ』の主人公。シンプルでありながらノスタルジックで優しさに溢れたアニメーションでニコラがどのように生み出されたのかを紐解いてゆく。
物語の作者サンペとゴシニ。2人は自身の幼少期を回想しながら当時叶わなかった幸福の1コマ1コマをニコラに投影してゆく。親の不仲、そしてユダヤ人迫害。生きることを諦めなかったからこそ2人は出会い、プチ・ニコラは誕生した。そんな哀愁や切なさも感じられ、ただ楽しいだけの物語ではないところがとても良かった。
きっと2人は今頃あのパリの街角でワインでも飲みながら次回作の構想を練っているでしょうね。だからニコラ、安心してね。君の居場所はなくならないよ。
プチ・ニコラの原作者は実在の人だったのか
映画の内容を殆ど知らなかっ為、映画の最後になってこの事を知った。
50年前のフランスの「笑い」の感覚が懐かしくほのぼのとしていて、観ていて心の休息になるような映画。
フランス児童書の再発見
プチ・ニコラは正直知らなくてはじめて観たが、なかなかいい作品でフランスらしいなと観て感じた。二人の作家のプチ・ニコラ誕生秘話はなかなか興味深い。ドキュメントを観ている感じがした。歴史にも左右されるが。色々知る事ができた。アニメで観て良かった。今度プチニコラの本を見たい。吹き替え版を観たがアニメファンお馴染みの声優ばかりで違和感はない。
作者二人の人生のドキュメントと、 ニコラの生活がいい感じに重なり合...
作者二人の人生のドキュメントと、
ニコラの生活がいい感じに重なり合って書かれている
作風も良いし、
よくある外国の古き良き時代の物語的な内容も良いし、
活気あふれる時代背景にもどっぷり浸かって、
見終わった時の気分が良い作品でした
ニコラのことを知らない私でも全く問題なかった
原作者2人とニコラのお話が見事に融合。
この作品で初めて知ったマンガだけどとても暖かい作品だった。なにより、イラストのような、水彩画のような、淡いフレームに包まれた画構成が好き。作者の生い立ちも絡めているけれど深入りしてないしあくまでニコラたち明るい子供達の楽しい日々が綴られているのが幸せすぎる。おしゃれなアニメだなー。
ウェス・アンダーソンを思い出すような淡い色調が美しい。
ちっちゃなニコラが可愛い!!楽しいニコラのアニメはクスッと観客の笑いを誘っていた。
幸せな子供時代を過ごせなかった原作者2人だからこそ、あの楽しい児童書『プチ・ニコラ』が作れたのだと改めて思いました。辛い時代を生きてきた2人が出会えて良かったです。あの2人の友情が素晴らしかったです。きっと天国でもニコラを書いてるね!
ウェス・アンダーソンを思わすような淡い色調の美しい画面。パリの景色もとても美しくて素敵でした。
パリはいいね
2023年5月20日
映画 #プチ・ニコラ #パリがくれた幸せ (2022年)鑑賞
フランスの国民的絵本である「プチ・ニコラ」のアニメ化作品
アニメにこの作品の生い立ちや、作者2人の人生を語らせてます
ほのぼのとしたタッチと子どものユーモア溢れる動きに魅了
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございます
僕は僕だよ!
線画から水彩で色がジュワーッと染み込んでいく場面の代わり方、背後に流れる明るいジャズがとても印象に残る。
不幸な子ども期を過ごした作者達の憧れは、ニコラを育てる事で幸せな子ども期に昇華されたのね。
何より子どもの元気と勇気をピカピカ発光して、頭に浮かんだことを片っ端からやっていくニコラ達を見てるだけで元気をもらった。
「僕は僕だよ!」というセリフがすごく心に残る。
私も今後は自己紹介の時に「僕は僕だよ!」って答えたい。笑
どこから来て何語を話して何が好きでも僕は僕。
原作は来週手元に来るので読んだらまた感想書くんだ。
昔読んだ時は元気で強気な子ども達の楽しい毎日の話、という記憶があったので、それを書いた作者達がそんな悲しい子ども時代を過ごしていたとは知らなくてちょっと驚きだった。
フランス在住の友人が、『プチ・ニコラ』はフランス語学習者にはおすすめの本、と言っていたのだけど、アフタートークでもフランスのエスプリが効いたお話だと南谷さんが仰っていました。
またエンドロールにイラストが出てくるけど、それは映画の中には出てこない特に面白い場面で、それを確認するのに原作を読んでから、また映画を観てほしいと仰っていた、と思います。メモ取れなかったそこ。
戦後10年の穏やかで優しく美しいフランスを学べる良い教材でもあるのかも知れない。
絵が可愛くてずっと観ていられる。グッズが欲しい。
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