「Just Do It " NIKE"」AIR エア bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
Just Do It " NIKE"
今から45年前、大学に入学して、初めて履いたスニーカーがNIKEのバスケットシューズだった。当時、大学ではadidasのスーパースターが人気を博し、男子学生のステイタスにもなっており、NIKEのスポーツメーカー自体も日本ではまだ浸透してなく、何人かの友人に「ニケってどこのスニーカー?」と尋ねられたことを思い出す。
今や、全てのスポーツ用具としてNIKEの名は知れ渡っており、アメリカ・スポーツ界が、NIKEに頼る所は大きい。そんなNIKEが世界規模に大躍進を遂げるきっかけとなった、『エアー・ジョーダン』の生みの親とも言える、NIKEに勤めるソニー・ヴァッカロの奮闘ぶりを描いたアメリカン・サクセス・ストーリー。いかにも、アメリカン・ドリームへの苦難を描いたヒューマン・ムービーと言える。
1980年代、NIKEはバスケットシューズのシェアーで、adidasやCONVERSEに大きく出遅れていた。NIKEのCEOフィルは、バスケットボール部門の立て直しをソニーに命じる。しかし、なかなか良い案が浮かばない中、ソニーは一人の選手に白羽の矢を立て、一発逆転の大博打に出る。それが後に、バスケットの神様と呼ばれるようになる”マイケル・ジョーダン”だった。
しかし、ジョーダンは、NIKEシューズを嫌い、交渉は難航を極める。そんな中、ソニーはジョーダンのマネジメントを請け負っていたジョーダンの母親と、業界の琴線にも触れるアポなしの交渉に出向く。ソニーの言葉に重みを感じた母親は、NIKEのプレゼンを受け入れる。プレゼンが始まる中でソニーが、ジョーダンに語った言葉が、胸を熱くする。正に、『Just Do It』NIKEの志と原動力となる言葉であったと思う。
今回、主役のソニーには、マット・デイモンが演じ、NIKEのCEOには、本作の監督も務めたベン・アフレックが演じ、またソニーの協力者としてロブ・ストラッサーやクリス・タッカー等が出演している。ジェイソン・ボーンやバットマン、アクション・ポリスを演じた肉体派俳優が、本作では中年太りの腹の出たおっさんを演じているのが、何とも面白い取り合わせと感じた。