劇場公開日 2024年4月5日

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「殻を破る」ブルックリンでオペラを つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 殻を破る

2025年10月29日
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鑑賞方法:VOD

ピーター・ディンクレイジ演じるスティーヴンが最初に言われる言葉「殻を破る」。それについての物語だったかと思う。では殻とは何か。
この作品の中では、過去の常識とか、新しい常識、そして自分自身を抑圧している何か。それらが「殻」だったように見えた。
とはいえ、好き勝手に振る舞えという話でもなくて、自分が勝手に規範だと思っている行動は、別に破ってもいいんじゃないか?という程度の話だ。

一応、スティーヴンが主人公ではあるものの、スティーヴン以外の人物にもスポットが当たり、軽い群像劇の様相もある。
登場キャラクターの多くが自分で作っている「殻」によって不自由を強いられ、周りの人との関わりによって変化していく。

原題は「She Came to Me」。隠喩的な意味で「彼女が私を目覚めさせる」。
その彼女とはマリサ・トメイ演じる船長のことだろうが、奔放な船長から始まるドミノ倒しのように、意識の変化が伝播していく様子は面白かった。
突然降って湧いた何かがないと変わるというのは難しいのかなと感じると共に、突然降って湧く何かは意外と簡単に訪れるものだとも思えた。

そこそこ笑えてそこそこシリアスな、ハートフルラブコメ?。ラブコメでいいのかな?。それすら分からない。
ただ、悩めるピーター・ディンクレイジは良かったし、怪しい女マリサ・トメイも良かったので、面白く観ることは出来た。
アン・ハサウェイ目当てで観た人が多いようだけど、自分としては上の2人の方がオススメ俳優だな。

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つとみ