山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」

劇場公開日:

山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」

解説

日本映画黎明期に活躍した夭逝の映画監督・山中貞雄が1933年に手がけたサイレント映画「鼠小僧次郎吉 江戸の巻」を、劇場アニメ「銀河鉄道999」「メトロポリス」などのアニメーション監督・りんたろうが山中監督への熱い思いを込めてサイレントアニメ化した、日本・フランス合作による短編アニメーション。

夜の闇に包まれた江戸の町で、大富豪から富を奪って貧しい庶民にばらまく義賊・鼠小僧次郎吉。夫を亡くし、幼い子どもとつらい日々を過ごす町人・お鈴。そんなお鈴を利用して鼠小僧の正体を暴こうとする梵字安五郎と長五郎。経験と勘で捕物名人と謳われる岡っ引き・勘右衛門。映画監督の山中貞雄は、彼らが江戸の町を舞台に繰り広げる哀愁漂う人間ドラマを夢にみている。

「AKIRA」の大友克洋と「YAWARA!」の兼森義則がキャラクターデザイン、サキソフォーン奏者・作曲家の本多俊之が音楽、「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻アラレ役の声優・小山茉美が弁士役を務めた。

2023年製作/23分/日本・フランス合作
劇場公開日:2024年11月23日

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(C)2023 M2/GENCO/MIYU

映画レビュー

4.0足を運んで良かったです

2024年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

上映はユーロスペースのみ、とりあえず最終日に間に合いました。
こちらはフィルムが失われた『鼠小僧次郎吉-江戸の巻』を残された脚本を元に制作されたショートムービー。
りんたろう監督によるサイレントアニメーションです。
現場と劇中劇はキャラクターデザインが別れており、監督達は大友克洋によるデザインで良い重さ。遊び心も出ていました。
劇中劇もタッチが異なって軽妙な感じが良いです。
そして弁士には小山茉美。これも良い。
本多俊之による音楽も実にピッタリ。監督とのタッグも多く相性も良いのでしょうね。
テンポも良く見易い作り、全編を通して山中貞雄監督や日本映画への愛が強く感じられました。
山中作品は一本しか観たことがないのですが、これを機会に観たくなりましたね。
鑑賞のハードルはえらい高かったですが、足を運んで良かったです。とても面白かったです。

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白波

4.5とても面白かった。それ以外に言うことないです。

2024年12月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とても面白かった。それ以外に言うことないです。

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Mr. Planty

4.0夢とうつつ

2024年11月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

戦地にて28歳で病死された山中監督の作品は、監督した26本のうち3本しか現存しておらず。
完成フィルムの失われた『鼠小僧次郎吉-江戸の巻』を、遺された脚本をベースに、りんたろう監督が独創性をいかんなく発揮して作った短編映画がこちら。

りんたろう監督の山中監督への愛と、様々な日本映画へのリスペクトに溢れていました。
リアル(現実)な撮影現場と役者たちの演技からはじまり、幻想的な思考の世界に飛んで、また現実に戻ってくる構成が、なぜかフランス映画っぽかった。
日仏の特徴が混在していたのが、不思議な魅力を生んでいました。
映画、とりわけアニメーション映画というものは、夢と現(うつつ)を行き来する機能を有するのですから、「もしも戦争で山中監督が亡くなっていなかったら、どんな名作がたくさん観られたんだろう?」という気持ちと、シンクロするのかもしれません。

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コージィ日本犬