「脇を固める俳優陣が豪華、ストーリーのバランスが絶妙」おまえの罪を自白しろ ななさんの映画レビュー(感想・評価)
脇を固める俳優陣が豪華、ストーリーのバランスが絶妙
鑑賞前は主演の中島健人さんと、堤真一さんや池田エライザさん、山崎育三郎さん、中島歩さんなどメインどころの方々の出演しか知らなかったのですが、いざ観てみると角野卓造さん橋本じゅんさん金田明夫さん尾野真千子さん…他にも本当に書ききれないほどの豪華俳優陣に度肝を抜かれました。
演技力のある方々しかいないため、良い意味でスクリーンからの圧がとてつもなく、台詞のないシーンも重厚感が途切れません。
また、政治と金がメインの話かと思っていましたが、勿論駆け引きや探り合い、頭脳戦や心理戦はありつつも、親子愛や家族愛、それぞれの信念や決意といった感情面の描写も多いため、バランスがちょうど良く飽きが来ません。
特に池田エライザさんの演技からは、娘を攫われ常にギリギリの精神状態であることが全身から伝わってきて思わず涙がこぼれました。
また、真っ直ぐで熱い若者として描かれている主人公もただただ猪突猛進な訳ではなく、ときには誰よりも政治家らしく振る舞う部分があり、そのときの目の演技にはまるで自分が詰められているかのようにビクッとしてしまいました。
観る人によってどの人物に感情移入するかが全く異なる作品であり、それでいてどの人物も否定されてはいません。その懐の深さがこの作品の隠れた魅力でもあると思います。
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