「社会派サスペンスとみるか娯楽映画とみるか」おまえの罪を自白しろ イチエさんの映画レビュー(感想・評価)
社会派サスペンスとみるか娯楽映画とみるか
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原作が好きだったので鑑賞。小説同様、前半はサスペンス&政治劇、後半はそれぞれの家族に……という作りでした。
原作は人質解放後から少しテンポが遅くなり、空気感がゆるむのですが、映画のほうは犯人の「家族」を深堀り(動機もそれらしく改変)していて、なかなかきちんと見れました。
ただ、これをサスペンスだと思って見た人は後半でつまらなくなるだろうな、そして社会派だと思って見たら肩透かし食らうな、ということで、「これを社会派サスペンスとみるか、娯楽映画とみるか」という感じです。これは娯楽映画です。
あとは監督がドラマベースの方なので、映画ならこのシーンでもうあと2秒余韻がほしい……みたいなカットがあったのが残念でした。たぶん地上波で放送されたらここでCM入るだろうな、という。笑
ただ、個人的には俳優たちの演技はとてもよかったです!
ギラギラした議員からただの父親になっていく堤さんの哀愁の漂わせ方(老け方)はかなりのものですし、宇田兄のほうも小説から省かれているポンコツ部分を空気でよく醸し出していました。幹事長と対峙した中島さんの目のハイライトの消え方もなかなかです。脇を固める名優たちもさすが。
アニメや洋画に席巻されがちな邦画界ですが、松竹には頑張ってほしいです。
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