劇場公開日 2023年6月16日 PROMOTION

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探偵マーロウ : 特集

2023年6月12日更新

【観たかった1本、観て良かった1本】祝リーアム・
ニーソン100作品!記念すべき一作で「演じたかった」
フィリップ・マーロウに 熟練アクションも光る極上の
ハードボイルド=ミステリーをぜひ映画館で!

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ごくたまに、理屈を超えて「強烈に観たい」と感じる映画に出合うことがある。6月16日から公開される「探偵マーロウ」は、筆者にとってまさにそのような作品だった。

主演はリーアム・ニーソン。「シンドラーのリスト」「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」「96時間」などで世界的人気を博す、ファンには説明不要の大スターである。

そんなニーソンの記念すべき出演100作品目であり、かつ「ずっと演じたかった」というフィリップ・マーロウに扮するとあっては、期待しないほうが無理というもの。

今作は筆者にとって「この上半期で最も観たい映画」だったし、そして実際に観ても満足度120点だった――そんな輝くほどの魅力を「見逃せない理由」「レビュー」「コラム:俺とニーソン」の3つに分けて詳述していこう。“こういうの好きだ”と直感する人は、たっぷりとご堪能いただけるはずだ。


【概要・あらすじ】
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探偵フィリップ・マーロウ。大作家レイモンド・チャンドラーが1930年代に生み出した超人気キャラであり、タフで孤独、女性にモテるが、友情を重んじ、どんな時も権力に媚びない。そのハードボイルドな生きざまは、世界中の男性を長きにわたり魅了し続けている。

今回はマーロウが登場する「黒い瞳のブロンド」(小鷹信光訳/早川書房刊)が原作。2014年に刊行された新作(作者は“ブッカー賞受賞作家ジョン・バンヴィルの別名義”ベンジャミン・ブラック)で、村上春樹の新訳が話題を呼んだチャンドラーの傑作「ロング・グッドバイ」の続編として、本家の公認も受けている一作である。

あらすじ:舞台は1939年、ロサンゼルス。探偵フィリップ・マーロウ(演:リーアム・ニーソン)のもとに現れたのは、見るからに裕福そうなブロンドの美女(演:ダイアン・クルーガー)。「突然姿を消したかつての愛人を探してほしい」。依頼を引き受けたマーロウだったが、捜査を進めるにつれ映画産業が急成長する“ハリウッドの闇”に飲み込まれてしまう……。


【予告編】真実は――闇。

【個人的・上半期で最も観たい映画No.1】
記念すべきニーソン出演100作目… 見逃せない理由

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まずは映画.com編集部の記者が、見どころと魅力を詳述していこう。きっと、今作の“価値”がよくわかるはずだ。


●最も観たい映画だった理由は?

筆者がグッとそそられた理由は、大きく分けて以下の3つである。

・ニーソンの記念すべき100作品目
・永遠のハードボイルド、フィリップ・マーロウを演じる
・しかも演じてみたいと強く思っていた念願の役

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元CIA工作員が、誘拐された愛娘を奪還する「96時間」シリーズなどで知られ、映画ファンであれば一度は“大暴れ”する姿を観たであろうリーアム・ニーソン。絶大な人気を誇る彼の、記念すべき100作品目が今作「探偵マーロウ」だ。

さらに、演じるはフィリップ・マーロウ。ハンフリー・ボガート、ロバート・ミッチャムといった名立たる俳優たちが扮したキャラクターを、ニーソンがどのように表現するか、早く観たくてたまらなくなった。

さらにさらに、ニーソン自身が「フィリップ・マーロウをずっと演じてみたいと思っていた。このキャラは、かつて監督や脚本家たちの頭の中にあった“私立探偵像”を永遠に変えてしまったからだ」とも語っている。念願の役どころを、出演100作品で演じるという運命的なめぐり合わせに、静かに、しかし激烈に期待が沸騰するのを感じたのだ。


●「優しくなれなければ生きている資格がない」 マーロウ特有の“名セリフ”、今作ではどうくる?
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筆者にとってフィリップ・マーロウといえば、そのセリフの良さが魅力的だ。

「タフでなければ生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」
 「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」

そしてマーロウの言葉ではないが、「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」など。これらが作品の代表的な一例とされているが、どれもこれも心の奥底に滑り込み、体を内側から温めてくれるセリフばかりだ。

果たして今作「探偵マーロウ」では、どんな物語展開とセリフが繰り出されるのか? あらゆる角度から期待感を刺激されながら、実際に鑑賞してみることにした。


【レビュー】ワクワクしながら観てみたら…想像を
超える満足度! キャスト、映像、音楽、全部“120点”

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ということで、ここからは筆者(=30代の男性編集者)による「探偵マーロウ」の感想をお伝えしていこう。映画選びの参考にしていただけると幸いだ。


●結論:作品全体の感想→興味が少しでもあるなら、絶対に映画館で観たほうがいい
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オープニングからしびれた。「MARLOWE」のタイトルロゴが表示され、ニーソンが俯きがちにタバコをくわえ火をつける。なんてかっこいいんだ。秒でハートをわしづかみにされ、あとはもう、めくるめく映画体験にどっぷりと肩までつかっていた。

ミステリー、もしくはサスペンス好きは絶対に観た方が良いと断言できる。主人公の渋さ。突如舞い込む奇妙な依頼。手がかりを追うごとに、簡単だと思っていた事件がどんどん大きくなる。口は悪いが意外と協力的な刑事。スリリングな謎解き。結末。ここまで読んで少しでも興味がわいているなら、なんとしても映画館で鑑賞するべきである。


●ミステリーの醍醐味:開始から15分後はすべてネタバレ厳禁、お楽しみは本編で
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突然消えた愛人を探してほしい――。先々の展開を強烈に想像させる、絶対にろくなもんじゃない依頼から、物語は轟音を立てて動き出す。今作のミステリーにおいて特徴的なのは、関係者全員の意見が頻繁に食い違う点だ。

「さっきあの人から聞いた話と違う」。つまり「全員、何かしら嘘をついている」「意図的に情報を隠している」というもつれた糸が物語の中心にどっかりとあり、マーロウは危険を顧みず糸を解きほぐしていく。

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そして開始から15分後以降は、すべてネタバレといえる展開へ移行する。厳密に言えばネタバレではないのだが、思う存分ミステリーの醍醐味を味わうためには、ここは何も情報を入れずに観に行くことをオススメする。

どんでん返しや特別な仕掛けがあるわけではないものの、教養と刺激に満ちており、マーロウと同じく観る者も大きな渦に巻き込まれていく感覚がある……筆者は質実剛健のミステリーをくらい、もう大満足だった。ぜひあなたも体感してほしいと思う。


●キャストの演技:知的でクール、タフで優しく、ときに拳で戦うマーロウに“惚れた”
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やはりリーアム・ニーソンの存在感は、期待に違わず、いや、期待以上に筆者を陶酔させた。ストライプスーツ、ベスト、ハット……特段、仕立てはいいというわけではなさそうだが、ニーソンが着ているとここまでダンディでかっこいいのか、とため息をつきっぱなしだった。

さらにひたすら知的でクール、タフで優しいハードボイルドな生き様にもゾッコンだった。マーロウに引っ掛けて、クリストファー・マーロウの劇のセリフ「地獄から抜け出せぬ」が引用されるなど、教養にもあふれている点が、今作が素晴らしい映画である理由のひとつだと感じた。

もちろん今作のニーソンはときに拳で戦い、観客に血液の温度が上がるような興奮を提供する。しかしむしろ、ニーソンといえばアクションに加えて演技力だとも筆者は思っている。スティーブン・スピルバーグ監督作「シンドラーのリスト」(1993)でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、アイルランド独立運動をテーマにした「マイケル・コリンズ」(96)ではベネチア国際映画祭の最優秀男優賞を受賞している。今作の佇まいと感情が静かににじみ出る芝居は、まさにニーソンの真骨頂と言えるだろう。


●音楽・演出:ジャズとウイスキーの香りが空中に漂うような映像世界に陶酔
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さすが「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」「マイケル・コリンズ」のニール・ジョーダン監督だ。その手腕にはひたすら舌を巻くし、濃密な映像世界はスクリーンを超え現実にも干渉するほどの独特なオーラ。ジャズの気配とウイスキーの香りが劇場の空気中にただよっているように錯覚した。

1930年代の控えめだが洗練された美術も素晴らしく、演技にカメラワークにムードに音楽にとあらゆる技術が融合し、陶酔するような映像体験を味わうことができた。また「みな悲惨な戦争を経験している」というモチーフも、人は手ひどく傷ついてもその傷を忘れてしまうし、また誰かを傷つけようとするという、業や原罪を示しているように読み取れて非常に印象深い。どこを切っても隙がない完成度の高さも今作の特徴だ。

期待していた「探偵マーロウ」は、実際に観ると120点の満足度だった。きっとあなたも、映画館で今作を観れば、120点どころか“青天井”の映画体験を味わえるはずだと、自信をもって断言しよう。

<リーアム・ニーソン演じる“永遠のダンディズム”フィリップ・マーロウが、映画館であなたを待っている――>

【コラム】俺とニーソン

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記事の最後に、こんなコラムを用意してみた。リーアム・ニーソンとともに人生を歩んできたという映画.comの男性スタッフ(40代/アクション映画ファン)が、ニーソンに対する熱い想いと、今作「探偵マーロウ」への強火の情熱を語ってくれた(800字くらいでいい、と頼んだのに1500字も書いてきた)。

※以下、男性スタッフの文。


●ニーソン“パイセン”と共に歩んだアクション映画の道
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俺たちアクション映画ファンにとって、というか俺にとって、リーアム・ニーソンはまさに神。彼のおかげで俺はどんな困難も乗り越えられた気がする。理不尽な状況に直面した時、いつだって心のなかのニーソンが大暴れし、俺をなだめ、救ってくれた。だから、あえてここではニーソンパイセン(先輩)と呼ばせてくれ。お願いだ。

俺と彼との出会いは、多くの人と同じように「シンドラーのリスト」だった。1994年公開だからもう30年近くも前になる。あの頃のニーソンパイセンは、俺にとって演技派のイメージが強く、まだアクション映画俳優とは思っていなかった。

そんな彼を“アクション映画の神”と認識するようになったのは、時を経て「96時間」だった。それまで王道だった(ように思う)カンフー=トリッキーで素早いアクションとはまた違う、“デカくて速くて重い”という新境地を切りひらいてくれたと感じ、比喩でもなんでもなく俺はぶっ飛んだ。アクション映画に革命の新風を吹き込んだ彼の活躍に、ただただ圧倒されたのだ。

思えば「96時間」は、いわゆる“ナーメテーター”の走りともいえるメモリアル的な一作。ナーメテーターとは、「弱そうなおじさん=舐めてた相手が、実はすさまじく強かった」という、俺たちアクション映画ファンがこれをおかずに白飯が5杯食えるくらい大好物なジャンルである。

同作の影響からか、2010~20年代に「イコライザー」「ジョン・ウィック」「ドント・ブリーズ」「Mr.ノーバディ」など数々の刺激的なナーメテーター映画が爆誕することになるのは、それはまた、別のお話――。


●ニーソンパイセン熱、止まらない! 出演100作目? 見逃すわけにはいかないだろうが!
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「96時間」以後もパイセンは、俺や俺以外のアクション映画ファンを魅了し続けた。彼が出演する作品は名作のオンパレード、ハズレなどないと思えてならない。

「96時間」シリーズ、「アンノウン」「THE GREY 凍える太陽」「フライト・ゲーム」「誘拐の掟」「トレイン・ミッション」「スノー・ロワイヤル」「ラン・オールナイト」などなど、どれもこれも的確に俺たちのツボをついてくる。飛行機や電車の狭い空間から、雪や氷の上という悪天候など、さまざまなシチュエーションでニーソンパイセンはそのでかい体を張りまくってアクションを繰り広げてくれた。最高だった。俺はパイセンの映画を映画館で観るたびに、息を呑み、身を捩らせ、恍惚の表情でエンドロールを舐めるように眺めるのだ。せっかく買ったポップコーンが食べてもないのに湿気り、コーラの氷が溶けてうす~くなってしまったことなど、一度や二度では済まない。

そんなパイセンの記念すべき出演100作目の映画「探偵マーロウ」が公開される。観に行くのか、行かないのか? 愚問だ。行くに決まってんだろう、どんな物語でも。パイセンが「マーロウはどうしても演じたい役」だって言うんなら、俺たちファンは絶対に見届けなくちゃならないんだ。たとえ雨が降ろうが槍が降ろうが、俺は這ってでも映画館へ急行する所存よ。

俺は、俺たちは、「1年に1回、ニーソン映画を接種しないと、生きていけない体」になってしまった。ほかの人がどう言うかわからないし、賛同してくれる人もいれば、そうじゃない人もいるだろう。でもこれだけは白状させてくれ。ニーソンパイセンが出演する映画は命を懸けてでも観たいものなんだ。これからも、俺はリーアム・ニーソンとともに生きていく。


【特別動画】ニーソンパイセンから日本のファンへメッセージ

【STAR CHANNEL MOVIES「探偵マーロウ」公開記念特集放送】

「探偵マーロウ」の公開を記念し、ロバート・ミッチャムやエリオット・グールドがフィリップ・マーロウを演じた3作品と、LAノワールやネオノワールなど新旧の傑作ミステリー映画4作品を、スターチャンネル1と2でそれぞれ特集放送。

●フィリップ・マーロウ特集

【STAR2 字幕版】
 6/19(月)~6/21(水)よる 9:00~ 3日連続放送(全3作品)

ラインナップ→「大いなる眠り」「さらば愛しき女よ」「ロング・グッドバイ」

●傑作ミステリー映画特集

【STAR1 字幕版】 6/12(月)~6/15(木)よる 8:30頃~ 4日連続放送
 6/24(土)午前11:30~ 一挙放送 (全4作品)

ラインナップ→「L.A.コンフィデンシャル」「アンダー・ザ・シルバーレイク」「ゴーン・ガール」「グレタ GRETA」

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