「評価が難しい作品」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ ジュンヤさんの映画レビュー(感想・評価)
評価が難しい作品
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好きではあるけど、今ひとつ腑に落ちない作品でした。
アーサーは人生の負け組で凶悪犯罪者でありながらも、一部の熱狂的な信者からはカリスマと崇められて、リーという彼女はどんな悪行も認めてくれる。
ダークナイトのジョーカーは息を吸うように悪事を働き、悪人からも尊敬されている純粋な悪というのが私の認識ですが、このシリーズのジョーカーは人生で負けまくっている人が吹っ切れて、社会の秩序をひっくり返す事で、逆転して勝ち組になるというキャラクターだと思っています。
前作のラストでは悪意が町中に伝播して都市が大混乱に陥るが、それは現実だったのか?妄想だったのか?という内容で、ジョーカーの活躍を描きつつも、現実味のある展開で納得できたのですが、今作はジョーカー側に救いがなさすぎた点が不満でした。
裁判の終盤で、アーサーは過去の過ちを反省して後悔するのですが、そこからは罪は重いわ、彼女には見捨てられるわ、最後には刺されるわでいいとこなしで終わります。
あの終わり方なら、逃げるチャンスがあった場面で、最後までジョーカーに成り切れば良かった。
日本的な考え方ですが、一度決めてジョーカーになったなら戻ろうとして欲しくなかったな。
救いのない終わり方が社会へのメッセージかもしれませんが、せっかくのハーレイクインもいるし、妄想オチでもいいからもっと狂気を魅せて欲しかった。
それでも前作も込みで星4つ。
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