劇場公開日 2024年10月11日

「犯罪者は犯罪者にとってのヒーロー?」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0犯罪者は犯罪者にとってのヒーロー?

2024年10月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ワーナーブラザーズさんの試写会にて。
(2024/10/11スコア表示&追記しました。)

これまでのアメコミ映画の常識を覆し、衝撃的なラストで完璧に締めくくった前作「JOKER」。1つの映画で完全体だったはずなのに、何故か続編の制作が決定。あんな終わり方したのに続きなんか作って、取り返しのつかないことにならないだろうか?不安で不安で仕方なく、しかもレディー・ガガと聞いて更に怖くなってきたが、予想は大的中。やっぱり、続編作るような映画ではなかった。
何でこんなことしてしまったんだろう。金儲けの匂いしかしない。前作同様、トッド・フィリップスがメガホンを取っているのに、彼ですら手に負えないでいた。ワーナーブラザーズよ、なんてことしてくれたんだ...。

前作は「あれは現実か?それともフィクションか?」と想像を膨らませて楽しんだものだ。売れないコメディアンを世の中がジョーカーにしてしまった。劇薬のように脳に電撃が走ったあのラスト。映画の歴史始まって以来、最高で最恐のオチだと5年経った今でも思っている。
だからこそ、その続きはハッキリ言って見たくなかった。公式がDC映画と位置づけていないように、あの映画はバットマンの敵・ジョーカーとしてではなく、1人の冴えない男の悲惨な物語として高く評価されたのだから、これを単なるエンターテインメントとして軽々しく続きを作ってしまっては、これまでのアメコミ映画と何ら変わらなくなってしまう。

しかも、求めていない要素がたくさんあってげんなり。監督は「この映画はミュージカルではない」と明言しているものの、観客からしてみればミュージカルでしかなく、1とはあまりにもかけ離れていたテイストで、期待していたものは全然なかった。
いちばんの不満はレディー・ガガの主張が強すぎるところ。謎の女・リーとしてではない。レディー・ガガが過ぎるのだ。歌って踊って1で作り上げられたジョーカーの世界をめちゃくちゃにしてしまう。果たして、彼女はこの物語に必要だったのか?そして、これは本当に1で心を掴まれた人達が期待していたものだったのか?

ただ、なにも面白くなかった訳では無い。前作に引き続きアーサーを演じるホアキン・フェニックスには感嘆してしまうし、一層磨きのかかった演出にもまた心奪われてしまう。アーサーとジョーカー、その二面性を見事に演じきっており、ますますホアキンのことが好きになった。改めて、この役を引き受けてくれてありがとう。やっぱり凄いよ、凄すぎるぞ...。
演出に関しても、狙いすぎているな〜と感じざるを得ないが、ワーナーブラザーズのロゴマークから始まる冒頭は特に、本作いちばんの驚きだった。アーサーはどうなってしまうのか?関心を掻き立てる展開は今回も秀逸で、結果的には残念に思ってしまったものの、全体的に見れば飽きることは無いし、それなりに楽しめはする。

とにかく、あの偉大なる名作「JOKER」の続編として考えると、あまりに目劣りしてしまうし、ガッカリ感が否めない。こうはなって欲しくなかった。前半はイカしてるなぁカッコイイなぁと思っていた音楽も段々としつこくなってくるし、社会風刺も悲壮感も何もかも足りない。
同じ監督、同じキャストの全くの別物として見た方がいい。そこまで期待していなかったけど、大好きな映画の続きがこうなってしまったのは悲しい。もう、無駄に2やら3は作らないでくれ...。

〜追記〜
公開したということで、これより控えめレビューを正直レビューに変更致します。

鑑賞してから1ヶ月近く経って、その間いろいろとこの作品について考えてきたけど、やっぱりこの作品はどういう見方しても好きになれないなと思ってしまった。
その1番の理由は、「ジョーカー」のキャスト・スタッフが集結している、列記とした続編なのにも関わらず、「ジョーカー」の真似事をしている、二次創作のような映画にしか見えないという点。前作で評価されたところを、少し誇張してわざとらしく見せている感じがして、とても続編のようには感じられない。あまりに作ってますよ感が強すぎる。前述の通り、ジョーカーにお金の匂いがプンプンする。

前作から完全に切り離して考えたとしても、DCのジョーカーとしてのカリスマ性は謎の女・リーの登場により一切無いし、哀しき男・アーサーとしての物語としても、とてもじゃないけど下手くそな見せ方。正直この映画にそんな展開は求めていない。だらだらとリアリティのない法廷ドラマを見せられて、誰がそんなのを好むのか。そもそも、アーサーは壮絶な過去を抱えながら、そんないとも簡単に恋に落ちるものだろうか。相手を信頼するものだろうか。キャラクター設定の曖昧さに違和感を覚えてしまう。

ただ、飽きることは無い。わりと集中して入り込むことが出来る。その集中が途切れた瞬間に、ものすごい嫌悪感が襲ってくる。それがまさに、ラストなのだ。ここを見て、もうダメだ、続編作ったのは間違いだと強く思った。リアリティの欠片も無いし、これまた前作の真似事をしているようにしか見えないし、この余計なシーンのせいで一気にシラケてしまう。海外で批判されているところは恐らくここだろう。ここが好きかどうかで評価が変わるはず。ただねぇ、偉大なる「ジョーカー」の続編で、これだけはやっちゃいかんよねぇ...、、、。

サプライズ
2024年10月14日

明らかにただのミュージカル作品でしょう。ジョーカーの続編としては、認めなれない(認めたくない)

sawX楽しみ!脳みそぐちゃぐちゃ目玉吸引
サプライズさんのコメント
2024年10月13日

やまとさん、コメントありがとうございます😊
好き嫌いはあるでしょうけど、傑作だった前作の続編としてはとても残念な作品でした...笑

サプライズ
サプライズさんのコメント
2024年10月13日

まー。さん、コメントありがとうございます☺️
あの傑作の続編とはどうしても受け入れられないし、そもそも続編を作ったことに疑問が浮かんじゃう作品でしたよね...。あれで留めておけば良かったものの、、、と考えちゃう日々です笑

サプライズ
やまとさんのコメント
2024年10月13日

観てないですが、レビューを見て笑ってしまいました。
かなり残念な感じはレビューだけでよくわかりました。

やまと
まー。さんのコメント
2024年10月13日

はじめまして!
サプライズさんのレビュー完璧です!(全てにおいて共感させていただきました笑)
なぜ続編作ったかね?って内容
これはこれでよかったのか?って何回も思おうとしましたが、やっぱり無理でした(残念です)

まー。
サプライズさんのコメント
2024年10月8日

そうですね。ジョーカーについて何も知らない人、もしくは1を見ていない人は逆に楽しめるかもしれません。ただ、評価真っ二つに別れる可能性があるので、おひとりで行かれた方がいいかもしれません笑

サプライズ
きらたそさんのコメント
2024年10月8日

一緒に観に行く人はどんな人が良さそうですか?またはピンの方がいいですか!?

きらたそ