「つまらなくはないが、期待値を超えられてない。」マッドマックス フュリオサ クリポンさんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなくはないが、期待値を超えられてない。
マッドマックスという特大コンテンツの最新作としては期待外れだったので、少し低めの評価。
主な要素は2つ
①ただただマッドマックス不足
前作デスロード筆頭に、マッドマックスらしさは押し付けの連続である。
世界観の押し付け、キャラの押し付け、展開の押し付け、アクションの押し付け、音の押し付け、
これでもかというぐらいあらゆる要素を、観客に押し付けてぐちゃグチャな映画体験を押し付けてくれるのがマッドマックスの魅力である。
今作ではそれがあまりに少ない。フュリオサのための映画であるが、中途半端に整合性があるストーリー、中途半端なキャラ同士のよくある繋がりや関係、マッドマックスぽいアクション、フュリオサのバックグラウンドや戦士のアピール、唐突なグロ、もうどこを切り取っても総合的な中途半端さが見えてきてしまうのだ。ド派手な打ち上げ花火はない整えられた映画という印象だった。
あと序盤中盤終盤、ダレる箇所がちゃんとある。
②アニャの役不足と、過去作俳優の再評価
アニャは好きな女優だし、出演作も結構見てるが、正直フュリオサに見えることはなかった。異常な目力がある、細くて小さい女の子でしかなかった。
シャーリーズセロンのフュリオサはストーリーで語らなくても画で伝わってくる力強さ、強靭さとどこか切ない目がキャラの魅力を引き立てていた。今作は新しいフュリオサの強さや魅力を伝えようってより、なぜフュリオサはこういうキャラなのかという説明が中心になっていたようだった。新しい魅力や強さはそもそも発想としてなかったのだろう・
アニャフュリは、頑張ってかっこよくて強いシーンを演出もりもりで表現しないと良さが伝わらないのだ(それでもあんまり伝わってこない悲しさ)。シャリフュリのバッググラウンドを頑張って伝えようとしても、彼女でそれを表現できていなかった。結局男性キャラで補って、中途半端な愛を描いて関係を補うことしかできない。(マックスと被るせいで比べてしまう)
はっきり言ってにガタイもタッパも足りない。10代の頃の話とはいえ、ただデカ女連れてきてほしい。
最後のワンシーンで、男性と女性の力関係みたいなものを表現しようとしていたが・・無理があるわ。理屈のないポリコレお花畑のつおい女性像でしかない。
強い女というキャラは難しい。男を描くより複雑で、一方通行で表現できないが、男にはない魅力がある。今回のフュリオサにそれは感じられなかったし、映画を通して過去作を超える魅力はなかった。
この作品が売れなかったせいで、次作のマックス主人公の作品が見られなかったらあまりに最悪・・・なので怒りをこめたきつめの評価。