「スピンオフでもここまで面白くなる!」マッドマックス フュリオサ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
スピンオフでもここまで面白くなる!
すごく好きな映画のスピンオフって微妙な気持ちになる。楽しみに待つ期待感と面白くなるのか?という不安感が入り混じるから。本作もそう。「怒りのデス・ロード」で登場したフュリオサを主人公とした物語。そりゃ、あのフュリオサはカッコよかった。でもあれはシャーリーズ・セロンが演じたからじゃないのか。そんな気持ちで臨んだ。
でもそんな不安は杞憂だった。崩壊後の狂った世界で繰り広げられる暴力、タンクを巡る攻防戦、フュリオサの復讐劇。意外と長い映画なのにアッという間にエンドロールを迎えていた。
「怒りのデス・ロード」でもそうだったが、改造車・バイクのカーアクションがとにかくすごかった。直線を走っているだけのタンクに敵が攻撃を仕掛けるという単純な構図なのに、なんであんなに迫力のあるシーンに仕上げられるんだろう。ちょっとニヤニヤしながらもドキドキ・ワクワクしてしまった。
そして、アニャ・テイラー=ジョイだ。元から好きな女優だったが、個人的評価が絶対的なものになった。あの目力!最高だった。
いや、後半駆け足になったなとか、多少の不満もないことはない。でも、そんな不満をかき消すような素晴らしさ。あのドライバー・ジャックとの関係性もよかったな。直接的な描写はないものの、2人の関係の深さを表したのが、ディメンタスとの絡んだシーン。急に、親密さが湧き出てきたことに切なくなってしまう。
「怒りのデス・ロード」が好きだったから、どんな映画になっていたとしても観ておかないとと思っての鑑賞だったが、大間違いだった。「フュリオサ」は名作だった。あー、そして「怒りのデス・ロード」もまた観たくなってしまう。