「荒廃した世界を舞台にした西部劇」マッドマックス フュリオサ ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
荒廃した世界を舞台にした西部劇
前作「怒りのデスロード」のスピンオフ作品ではありますが、丁寧に作り込まれたストーリーとなっています。
主人公フュリオサはシタデルの女性大隊長。短く刈り込んだ頭髪と顔に塗った黒いグリースが特徴。左腕の前腕部から先を欠損しており、金属製義手を装着している。この義手は小型モーターを内蔵しており、人間の首すらへし折ってしまうほどの出力を備えている。そのほか、皮革製固定ハーネスとコルセット、ショルダーパッドを身に着けている。動作も俊敏で銃器の扱いにも長け、特に改造型SKSカービンを使った長距離射撃を得意とする。といったキャラ設定がしっかり出来上がっています。ここにいたるまでの生い立ちがベースとなります。展開は、幼い頃にさらわれて、母親を殺されてしまいます。その敵ディメンタスに復讐することを誓い、狂った世界で生き抜いて立ち向かっていきます。まさに西部劇です。馬の代わりに様々に改造したバイク、車、トラック等乗り物が登場します。この改造車の数々はモーターファンでなくても魅力的なデザインと機能を備えています。R指定にならない程度のバイオレンスシーンの演出もかなり計算されています。復讐物のラストである敵のディメンタスとどのように決着するかとなりますが、ここもひねりがきいています。アクション映画としては大満足です。前作の「怒りのデスロード」は事前鑑賞を薦めます。
小ネタですが、フュリオサが一人故郷に戻ろうと疾走しているシーンにマックスがいるのに気づけたらラッキーです。