「暴力の応酬の先にあるもの。」マッドマックス フュリオサ Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
暴力の応酬の先にあるもの。
感想
このシリーズは毎回鑑賞していて、それなりにア
クション的にも見どころがあり、今回のフュリオサも質の良い、アクション満載のエンターテイメント映画であった。ストーリーとしても一本の映画で完結するように出来ているので、マーベルシリーズ程の、毎回必要になる細かいオタク的解釈や、難解さは必要としないが、ジョージミラー、マッドマックス教!みたいな、新興宗教ぼい感じの売り文句が、今回気になった。
しかし、この映画の中で描かれている世界秩序崩壊後の理不尽と不条理が罷り通る世界は、既に現実世界でも至る所で(戦争等の紛争や政治や社会的に身近な問題として発生している事件等で)発生している。年齢を重ねてきて最近は、自分と能力も体して変わらない、一部の、人の道理として誤っている考え方を持ち合わせた人間が招いているこの現実社会の理不尽な問題を真剣に受け止めて自分なりに解決していくと決めた時点で今まで架空の世界でゲームのように楽しんでいた、無秩序で野蛮な暴力にカタルシスを感じるストーリーを心から楽しむ事が出来なくなってしまった。
頑固で屁理屈な話かもしれない。だが、暴力至上主義が全ての人間における、ヒエラルキーの頂点にあるという考え方に基づく映画をどうしても認められない。その考え方自体ストレスだと、今回気付いた自分がいた。もう暴力には飽々しているのだ。
別に監督や制作者たちを批判している訳ではない。この映画路線を創りあげたジョージミラーは素晴らしい監督である事は間違いない。
悪しからず。
⭐️3