「普通に最高です。」マッドマックス フュリオサ yoshuggahさんの映画レビュー(感想・評価)
普通に最高です。
フューリーロードが120点だとすると、比べるものではないとわかっていても比べてしまう…85点。
ハッキリいって充分に面白い作品。
よくまぁいろんなアイデアが思いつくなと関心した。
またフューリーロードでは話の中だけであった畑もちゃんと見せてくれたのは流石だなと思いました。
前半は1や2の雰囲気も感じられて古参のファンサービスも忘れてない。
ここまでやってくれたら文句を言うべきじゃない。
しかし、やや気になるとこが無くはない。
一度しか観ていないので何ともだが…
屈強な男どもは皆がみんな自らが統治し"民に分け隔てなく与えよう"が目的であったが結果はただの独裁者になっている。それは世の常。
イモータンジョーは宗教観を利用しウォーボーイズを上手くコントロールしてる。
一方でディメンタスはただのボンクラ感があって部下をコントロールしきれなかった。
宗教的洗脳を使わないなら恐怖で屈服させコントロールすると思うが、あんなに反乱が起こるまでになってるのはやり方がただ雑過ぎたって事なのかな?
それにディメンタスは仇役としては愛嬌があり過ぎる。
ジョージミラーの事だから何か意図があるはずだと思う。普通復讐ものなら悪役を憎々しく描くもの。
ロボコップのギャングなんかはあれだけ悪い奴らだからカタルシスが生まれた。
でもディメンタスは世界が崩壊した時に家族が殺されている。希望は持つものじゃない。
マックスと内面のプロセスは似ている。
壊れた先のアウトプットが陽キャ、陰キャ。仲間を作る、1人で行動する。常に足りてない、もう何も要らない。外へ吐き出す、内に籠る。
マックスとは陰陽の関係にあると思った。
誰もがこうなる可能性があると。
ここまで何処か憎めないキャラにしたのはそれ以外に何かあるんだろうか?
フューリーロードではイモータンジョーを残虐に殺した。台詞のニュアンスとして感じたのはジョーに直接的に何かされたような印象があった。
その辺が明らかになると思ったが、ジョーからは直接被害を受けてない。
しかし直接的な加害者のディメンタスの方が少々緩めなのが何でだろとノイズになった。
子供の頃は守られてる部分や強くなる為にある種のメンター的な部分もあったのだろうか?本人もラストで殺すのを躊躇してるように見えた。
じゃイモータンジョーがそんなに恨まれる理由はなんなんだ…
今回マックス的なメンターが別にいたが、彼の死も直接は描いていない。後でまた登場するとか?
この作品はフューリーロードの10数年前からの話だと思うが、故郷はその間に砂漠になってしまった。手前にあったオアシスも水が汚染されてと言っていたが…あの豊かな故郷がどうして…
あと、これはどうしようもないが、目で役者を選んだのは理解した。でもアニャさんは可愛い過ぎる。
シャーリーズセロンの演じた人間としての芯の強さが美しさになっているものとは、やっぱり違う。比較しちゃいけないのはわかってるが、気になるものは気になる…