「この程度では、9年間の渇きは潤せない。」マッドマックス フュリオサ ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)
この程度では、9年間の渇きは潤せない。
2015年、映画ファン及び映画界に熱狂の大旋風を巻き起こした、「マッドマックス 怒りのデスロード」
常軌を逸した超絶怒涛のカーアクションの連続は、映画史を変えたと言っても過言ではない。
9年の時を経て、その前日譚として制作された本作。一も二もなく映画館へ駆け込むのは当然と言えよう。
単純に、あの狂気の世界のスピンオフが今一度見られたこと、それ自体が行幸という他ない。
殺戮兵器のボビー・ノッカー(後部、5つのトゲ付き鉄球が高速回転する装置)、
モーターパラグライダーのスカイアクション、
弾薬畑(パレットファーム)での大アクションシーンなど、見応えはやはり抜群だった。
アニヤ・テイラー=ジョイも好演していたと思うが、フュリオサの母役のチャーリー・フレイザーの格好良さに痺れました。
ですが、やはり物足りなさを感じたのも事実です。
どうしても「怒りのデスロード」と比べてしまいますが、
あそこまでのインパクトは感じられなかったですし、だいたい本編150分は明らかに長すぎてテンポが悪く感じました。
途中、長い月日を経る展開も強引ですし、
そもそも「怒りのデスロード」も復讐劇で、本作もまた復讐劇なのはまたこの展開かよと思いました。
なにより酷いのはジャックの扱いで、明らかに描写が雑です。
決して悪いわけでは無いけれども、なんだか突き抜ける良さも感じられないという、なんとも消化不良な一作でしたね。
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