「絶対に映画館で見てください!!」マッドマックス フュリオサ オニオンスープさんの映画レビュー(感想・評価)
絶対に映画館で見てください!!
本レビューは若干のネタバレを含みます。
映画観賞が趣味になって日が浅い自分は映画好きになって大変後悔していることが1つだけあります。
それはリバイバル上映などがない限り、過去の傑作映画を大スクリーンで大音響の映画館ではもう見れないという事です。
そして、その内の1作が前作「マッドマックス、怒りのデスロード」でした。
物語としては行って帰ってくるという大変シンプルではあるのですが、それらを凌駕するほどの魅力、カッコ良すぎる改造車に壮大なカーチェイス、爆破シーンと戦闘シーンの数々、撮影と編集の妙により実際に100キロ、200キロで走る車上で行われているのではないかと錯覚してしまうほどでした。また色鮮やかなビジュアルと対比するかの様な荒廃した砂漠の風景、世紀末の世界観まで抜群で、視覚的な魅力で圧倒的な感動を与えてくれる最高の映画でした。
家で見た時「この映画はマジで映画館で見たかった」とどれだけ悔やんだ事か。
そして今作「マッドマックス、フュリオサ」、
個人的には、前作の「怒りのデスロード」の様な120分殆どノンストップで車が爆走し続ける映画を期待してしまっていたので、そことは若干ズレてしまいました。
ただそれでも素晴らしい映画である事に間違い無いです!!
感覚的にはパズルのピースが合っていくようなカタルシスを感じれる映画でした。
「怒りのデスロード」では断片的であったフュリオサの過去、幼少期からどの様に砦の隊長まで登り詰め、それを裏切り故郷である「緑の地」に帰ろうとしたのかという理由までを丁寧に描いており、映画のタイトル通り「フュリオサ」の人物像を深めてくれる映画でした。
ただ単にフュリオサの過去を掘るだけでなく、「怒りのデスロード」並のカーチェイスや武器の数々は健在で(時間的には少なめでしたが)そこに新たなディメンタスのバイクとパラグライダーなどを使った「あの棒」を超える演出と発想にはただ驚嘆するものばかりでした。
そしてラストのシーンは完璧に「怒りのデスロード」に繋がる作りになっており、今すぐにでも前作を見たいという欲求を煽ってくる、非常に良いエンディングだったのではないかと思います。
前作以上にストーリーに重視した映画で、メルギブソンの「マッドマックス」的要素と「怒りのデスロード」的要素をうまい具合に融合し、絶妙なバランスを保ちながら最高の映画に仕上げ、まさしく監督の集大成的な映画と言えるのではないでしょうか。
本当に素晴らしい映画だったので是非映画館でご覧になって下さい!!!!
追記、欲を言えばもう少しカーアクションが欲しかったです