「汝期待しすぎることなかれ」マッドマックス フュリオサ 小太り爺さんさんの映画レビュー(感想・評価)
汝期待しすぎることなかれ
わたしをふくめ前作フューリーロードのどんがらがっちゃんを期待される向きには後半まで待たされることになりますね。
タイトルロールのフュリオサの幼少期からひもとき、彼女の悲惨な半生を描く本作は決して手を抜いてるわけではないのに少々物足りなさを感じてしまいました。
やはり、何と言ってもあの前作のあとですから、制作開始の報せを目にしてから封切りまでにとてつもなく期待値が跳ね上がってしまっていました。
それで何度となく痛い目をみてまいりましたので、待て待て、はやるでない、抑えて抑えてと言い聞かせるも効果なし。はやく様々な排気音を聞きたい、個性的な内燃機関と砂漠の熱を感じたい。ちなみに前作の鑑賞後は帰宅して服を脱いだおりには砂粒がさらりと落ちたよな気がいたしました。と、この調子では話が止まりませんね。まあ、早い話が期待しすぎたわたしも悪いということです。
作家の気持ちも理解できます。いまのわたしのようにフュリオサのあれを描きたい、これを伝えたいと話が長くなるのもわかります。
要はバランスだと思いますね。幼少期をいま少し刈り込んでMADがMAXになるようにしていただければよかったのではないでしょうか。
おかげでお約束のどんがらがっちゃんまでいささか物足りなく観てしまいました。もちろん普通の映画であれば大興奮間違いなしですから、まことに贅沢な話ではありますがね。
役者陣ではアニヤ・テイラー=ジョイ一択でございますね。彼女の引力に救われました。