「前作が良かったので、期待しすぎた!!」マッドマックス フュリオサ *.꒰ঌ𝙰𝚗𝚐𝚎𝚕𝚘໒꒱.*さんの映画レビュー(感想・評価)
前作が良かったので、期待しすぎた!!
前作は劇場で繰り返し観ましたが、今作はつまらなくて一度で十分だし観なくても良かったです。ポスタービジュアルも前作の感じと一緒なので、騙されたというか勝手に期待しすぎました。前作でフュリオサは「ウォータンクがあれば逃げられると思った」と言っていたので、脱出できなかった過去の車両戦を、前作を踏襲して描いてくれれば十分でした。しかし、ブラブラ棒すらなくごく普通のバトルで燃えませんでした。一番初めに感じたのは、登場人物がみな一言か野次か抽象的な事しか喋らないので、キャラクターに愛着が持ちづらいという事でした。エンジンの説明だけ2回もあり詳しくて偏っています。ディメンタスの砦の前でのスピーチはこの映画で初めての長文で、内容も中々でしたが、魅力的な人物ではなくショボく感じました。彼は将軍ではなく、まあ主任かサークルの部長という感じです。車両戦の出来は前作に勝てないので、章立てしてストーリー重視にしたのだと思いますが、ストーリーにも特に熱いものはなく不満でした。例えば、ディメンタス(人格者Ver.)と彼に見出され鍛えられたフュリオサが、イモータンを(真田幸村ばりに)あと一歩の所まで追い詰めるが、卑怯な手によりディメンタスは死んでフュリオサは捕まり、観客はクソー!!となるか、或いはイモータンの元でフュリオサが立身出世していく(が度重なる民衆への非道に不信感が増していく)というような話が良かったです。ナレーションで歴史的な戦いと並べていましたが、例えば「プラトーン」やソンミ村虐殺ぐらいの描写をやってみろよ突き抜けてみろと思いました。また、主人公は殆ど喋らないので、主体的に考えて行動して自分の運命を切り開いていく感じはしませんでしたし、ディメンタスへの恨み以外に圧政や暴力に対する不満や怒りもなく、視野が狭く感じました。何故このような内容にしたのかと言うと、前作が反体制的な内容だと中国政府に目を付けられ、中国市場で全く稼げなかったのが、ワーナー的に苦い経験だからだと思います。日本の政治も酷すぎるので、反体制的な、またはどうしようもない暴力の下での英雄的行為を描いたマッドマックスが観たかったです。音響は良かったですが、イモータンも恐怖の象徴として前線に出て無双して欲しかったです。前作から9年経っていますが、話のネタになるような面白要素もなく残念に思いました。