「映画を観ると「I WANT TO BACK!」の本当の意味がわかるかも」マッドマックス フュリオサ Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
映画を観ると「I WANT TO BACK!」の本当の意味がわかるかも
2024.5.31 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のアメリカ映画(148分、G)
『マッドマックス』シリーズの最新作にして5作目
『マッドマックス 怒りのデスロード』のキャラクター・フュリオサを描いたスピンオフ作品
監督はジョージ・ミラー
脚本はジョージ・ミラー&ニック・ラザウリス
原題は『Furiosa:A Mad Max Saga』
物語の舞台は、荒廃したオーストラリアのどこか
緑の地に住むフュリオサ(アリーラ・ブラウン、成人期:アニヤ・テイラー=ジョイ)は、妹のバルキリー(ディラン・アドニス)とともに、森の中にある桃を探しに来ていた
だが、その奥地にて、武装したバイク集団を見つけた
フュリオサは緑の地がバレては困ると考え、足止めするために、彼らのバイクに細工をし始めた
だがあっさりと相手に見つかってしまい、助けを求めるために、渾身の力で笛を吹き鳴らした
それを耳にした母・メリー(チャーリー・フレイザー)は、鉄馬の女(Anna Adams)とともに娘の救出へと向かう
何とかフュリオサを確保し、逃げ出そうとするものの、圧倒的物量の前に捕まってしまう
緑の地のことを口にしてはならぬという誓いのもと、フュリオサも母も口を割ることはなく、母は磔刑にて殺されてしまった
その後、バイカーロードのボス・ディメンタス(クリム・ヘムズワース)は、フュリオサを娘代わりにして、そばに置くことを決める
フュリオサはその日以来、一切口を開くことなく、復讐の機会を伺っていた
物語は、勢力を拡大させようと目論むディメンタスが、砦(シデタル)を見つけ出し、そこを支配するイモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)に横柄な条件を突きつけるところから動き出す
イモータンはディメンタスに対して、ここにはオレの為に死ねる兵(ウォー・ボーイズ)が数百人以上いると言い、彼の要求を全て跳ね除けてしまう
そこでディメンタスは、彼が支配するガスタウンを襲って、それを人質にして、再交渉しようと考えるのである
映画は、『マッドマックス 怒りのデスロード』の前日譚になっていて、フュリオサがどのような経緯を経て、あのような戦士になったのかを紐解いていく
片腕になっている理由、強さの理由などが紐解かれる流れになっていて、その繋がりは緻密なものになっていると感じた
この世界観を楽しめるかどうかはあまり真面目に考えすぎないことだと思う
栄養が足りないのにマッチョなのはなぜ?と聞いてしまうのはナンセンスで、おそらくは人類の体も進化し、少ない栄養素でも肉体に変えてしまえるのだろう
また、鉄鋼などの技術を持った人間とか場所は皆無なのに、車は進化を遂げ、様々なオプションをつけられるようになっている
このあたりも世紀末映画あるあるで、力任せに加工しているのだと思って脳内補完するのが良いと思う
一応は、賢者による語りという構成で、「THE POLE OF INACCESSIBILITY(到達不能極)」「LESSONS FROM THE WASTELAND(荒れはてた地の教訓)」「THE STOWAWAY(潜伏)」「HOMEWARD(故郷へ)」「BEYOND VENGEANCE(復讐の彼方)」というタイトルがついていたが、そこまで必要性は感じない作りになっている
突然、時間軸が変わってしまうので、それを知らせるためのものという感じで捉えておけば良いのではないだろうか
いずれにせよ、『マッドマックス 怒りのデスロード』を観ていることが前提の映画だが、観ていなくても、本作の後に鑑賞するものありだと思う
濃すぎるキャラがたくさん出ているのだが、その辺りの詳しい説明は一切ないので、それを知るためにはシリーズを1から観るしかないように思う
とは言え、本作の理解のためにはそこまで必要事項ではないので、何となく「濃いキャラがいるなあ」ぐらいで眺めていてもOKなのではないだろうか