「“戦い”というより“諍い”」ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い uzさんの映画レビュー(感想・評価)
“戦い”というより“諍い”
『ロード・オブ・ザ・リング』完全未見だが、183年も過去の話なら平気かな、と鑑賞。
結果として、まったく問題なく理解は出来た。
だが、雰囲気の割に非常に小ぢんまりとした話でもあった。
まず、ヘルム王に偉大さを感じない。
最初の過失致死は半ばギャグだが、その後の対応が最悪で、戦への姿勢も脳筋。
息子が戦死すると悲しみのあまり昏睡し、唐突に発狂したと思えばヘラに丸投げして逝く。
腕力以外の魅力を教えてくれ。
対するウルフも圧倒的に小物。
直接追いかけて目の前にいたはずなのに、指示を出すだけでヘルム王には挑まない。
そのくせ後になって「王が死んでどうやって復讐を果たせば…」とか言い出す。
誇りもなく、卑怯で、フラれたことをいつまでも引き摺る女々しい男によく人がついてきたもんだ。
ヘラは全体的にはよいのだけど、「人殺しっ!」発言で覚悟もなく現実も見えてなかったのかなぁ、と。
小芝風花の声も演技もなかなかだったけど、個人的には小松未可子の下位互換。
良かったキャラはオルウィンとフレアラフくらいかな。
終盤、亡霊のフリしたフレアラフが声を上げた時は「バレるだろ!」とツッコんだけど。
ナレーションで語り過ぎなのも気になった。
演出も、意図があってというより映画的にするためのように感じるところが散見される。
(ヘラの角笛のシーンでカメラをグルグル回すとことか)
話や感情の流れに不自然さはないのだけど、結局は身内の小競り合いだしなぁ。
最後の方に原作要素っぽい名詞が出てきてたけど、知ってればもっと楽しめたのでしょうか。
共感、コメント有り難うございます。
「結局は身内の小競り合い」・・・言い得て妙です!
にしても、ヘルム王のバーサーカーっぷりは、何か見落としていた設定あったかなというくらいロードオブザリング的に異質で、しかもラオウ昇天演出でした(笑)。
私は事前に三部ともAmazonで予習しましたが、関連性を連想させるのは、金の指輪、白の魔法使い、怪獣擬ぐらいでした。
それ以外は次作のために出さなかったのでしょう。
あれでは次作を見ないです…