劇場公開日 2024年12月27日

「ナウシカとかラピュタとか、また北斗の拳ラオウとか‥‥」ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ナウシカとかラピュタとか、また北斗の拳ラオウとか‥‥

2024年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

自分は実写洋画はほぼ見ません。実は欧米作品独特の “掛け合い” に馴染めず、加えて字幕が無理で、読むことに意識が集中して映像に没頭できず、映像を注視すれば台詞が欠けて物語が全く入ってきません。鑑賞するとしても吹き替え版のみ。
元作『ロード・オブ・ザ・リング』も当然未観賞。本サイトでは過去作は高評価で4点台の人気作の様ですが、本作は観客10人以下と閑散‥‥ 実写映画ファンはアニメに興味がないのかも? 自分はアニヲタなので観に行ったのですが、本作は完全オリジナルで原作者の手によるものではない様です。

前置きが長くなりましたが、本作の評価は星の数通り微妙です。
ただし、これは『日本式アニメ作品』として見たのと、欧米作品が苦手な事が影響しています(ソレを差し引けば★2以下)。神山作品とはいえ脚本は海外作家によるものであり、致し方ない部分もありつつ多少期待もあっただけに、ガッカリ感少なからず(でも個人的に神山作品は毎度微妙ですw)。

本作の難点は安易なストーリー、類型的勧善懲悪と、敵役のいかにも『悪者らしい』誇示表現にあります。ローハン戦いの発端は親の仇ですが、その並列された動機が女々しく、原因となった事件の顛末がナニコレ的。
確かに、戦の原因なんてそんなモンかもですが、ソコを軽薄な作話・描写にしたら壮大な戦シーンに微妙感が拭えなくなります。その辺のシッカリした練込み・鍛錬を欠いた印象でした。

ソレに加えて、最大の敵『ウルフ』が愚かさ満点のチンピラ小物描写。日本アニメは敵にも相応の大義と魅力が描かれるモンですが、本作はそれが皆無で、全体的にキャラが魅力薄で深みがないのが最大の難点かと。
あと、何だかポリコレ感もそこはかとなく‥‥ ソレはまぁイイや。

そして『トンネル』ネタもまた、もう何回も煮出された出がらしの茶葉。描写された瞬間「知ってたw」と突っ込み。てか穴があるのなら、大鷲さんの働きがイササカ陰ってしまうのでは? 他にも王様徘徊とか城内を駆ける馬とかイミフな展開など、シッカリした仕込みが感じられない粗が目立つファストなご都合シーンも散見されました。

悪態つき過ぎたので良かった所。
ビジュアル・映像美は劇場レベルに達していました。これは神山監督の功績かもですが、それでもCGとの連携がイマイチ、でもこれ観ていくうちに慣れました。
中の人問題、コレも無難でした、ヘラがチョッと不安定でしたがマズマズ。ソレ以外はプロですし、ヘルム市村もサスガで、舞台・芝居のソレとアニメの中の人は通じる何かがあるのでしょう。

そう言えば『指輪物語』、昭和の昔に米国でロトスコでアニメ化されてたらしく、手塚治虫は大絶賛、宮崎駿は酷評だったそうな(ウィキ情報)。
※文中敬称略

Geso_de_Nyoro