「大ダコもウー・ジンも物足りない」MEG ザ・モンスターズ2 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
大ダコもウー・ジンも物足りない
冒頭、もしかして、これは、MEGが人間の味方になる「ターミネーター2」のパターンなのではないかと嫌な予感がする。
しかし、その後は、そんな予想を吹き飛ばすかのように、人間同士のイザコザが延々と続いて、MEGの存在は完全に脇に追いやられてしまう。
まあ、海底や海上基地からの脱出劇は、それはそれで面白いのだが、「あれ、いったい何を観に来たんだっけ?」という不思議な気分にもさせられる。
後半になって、ようやく人間対巨大生物の戦いになるのだが、ジェイソン・ステイサムとタイマンを張るMEGはまだしも、せっかく新たに登場させた大ダコには、もう少し見せ場があってもよかったのではないだろうか?
大ダコと戦うMEGは、人間が飼い慣らした「ハイチ」だろうが、特に、人間を守るために戦っているようでもなさそうだし、何故だがこの場面のCGもお粗末で、しかも、一瞬で戦いが終わってしまうのは物足りないとしか言いようがない。
むしろ、シャチが人間の味方をして大ダコと戦う「テンタクルズ」のような展開にした方が、ここは盛り上がったのではないだろうか?
さらに言うならば、「戦狼」のウー・ジンも、大ダコと同じくらいに物足りない。
別に、ウー・ジンのファンではないのだが、彼なら、ジェイソン・ステイサムに勝るとも劣らない、突っ込みどころ満載の荒唐無稽な活躍をするに違いないと、期待してしまったのも事実である。
蓋を開けてみれば、水陸両用の恐竜(両生類?)との戦いにしても、大ダコとの戦いにしても、普通のおじさんが頑張っているようにしか見えず、これでは、14億の中国人民も納得できないのではないだろうか?
ストーリーにしても、人間やモンスターのキャラクターにしても、前作からのスケールアップを図ったのは分かるのだが、それが作品の面白さに結びついたかといえば、残念ながら「微妙」と言わざるを得ない。