「こんな風に手を取り理解し合えたら。同じ不安を抱える人達へ。」夜明けのすべて あおねるさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな風に手を取り理解し合えたら。同じ不安を抱える人達へ。
なんだろう。とても心地良いです。
静かで、穏やかで、真っ直ぐで。
終始共感しながら鑑賞しました。
私は7年程前にパニック障害の診断を受けました。
この作品の描写にもありますように、電車やバスといった公共交通機関に乗ることが難しく、又自分でコントロールできることではないので、突然パニック発作が訪れます。
そのため出かける際は、私がパニック障害であることを知っており、万が一の際にサポートしてもらえる友人とのみ休暇を楽しんでいます。
理解のある友人に救われていると幸せに感じます。
ただ時と場合によっては、どんなに親しい人物でも近くにいることによって「自分の酷い有様を見られてしまう」という恐怖心から発作が起きることがあります。難しいですね。
現在はすぐに目的地に到着する安心感がある乗り物、例えば新幹線。そういった自分の中で安心感を保てる選択肢を取れるようになりました。
電車も短い距離ならたまには乗ることができます。
薬を持ち歩くことは欠かせませんし、作品の中にあったように、不安をかき消すための材料としてガボガボ水を摂取することも欠かせません。
パニック障害の人間(総てに当てはまるわけではなく)にとって、夜の闇は強大です。
実際に死にたくなるなどの極端な思想も度々生まれます。本編で使用されていた「飲み込まれる」という表現はとても理解できます。
私はこの作品を通してパニック障害がどんなものであるか、今よりもっともっと理解され、支え合う世の中になればいいなと感じました。
「人と違う」ことを恐れず、何かを抱えていても生きやすい世の中になることを願って。
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