「理解して手を差し伸べる優しさ」夜明けのすべて コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
理解して手を差し伸べる優しさ
「間」がよかった。
セリフも音楽もなく、自分や同僚の症状に向き合っている2人の姿がいい。
恋愛でも友情でも依存でも甘やかすでもなく、「理解して症状に冷静に対応する」。
実はこれ病気に限らずで、言ってしまえば全ての(特に気難しい性格の)人と付き合うのと似ていたりするんですよね。
気遣いとお互い様の精神をもって、寛容さを広げ、優しくありながら、相手が具合悪い理由についてどこまで理解するのかということかと。
歳をとってくるといろいろ病気を持つようになります。
私も持病があり、発症したばかりの頃にふらつく状態でも、心ない元同僚には理解が得られず、怠(なま)けてる弛(たる)んでると厄介者扱い受けたことがあります。
自分自身、頭では「以前はこうじゃなかった」「もっとできるはず」と、病気になったことを認めたくないし、その悔しさと恥ずかしさに自分を責めたり。
そんな経験から、前半の2人の気持ちが痛いほどわかり、なんだか感情移入が半端なかったですね。
だから、同病相憐れむというよりかは、2人の優しさと、前向きに生きる希望に満ちた心のあり方にじーんときちゃったのでした。
それを、飽きさせずに、見応えあるフィルムにしていたスタッフ&俳優陣に拍手。
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