「傍に誰かが居なくても生きて行けるって思い、心の奥底に光が射すのを感じた!」夜明けのすべて The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
傍に誰かが居なくても生きて行けるって思い、心の奥底に光が射すのを感じた!
連休もあっという間だったねぇ。(もっと休ませろぉ (;^ω^) )
メッチャ道路が車で渋滞の中 今日は「夜明けのすべて」を観に行った。
本作はドキュメンタリ-ドラマですね。人の心に抱く感情を上手く引き出し自然な演出させてます。その辺りは監督の前作”ケイコ 目を澄ませて”に続き見事と感じます。原作は瀬尾さんですが本とは内容が違うそうですね。
この2者のファンの方が多く来られている様でしたが、名前を全く伏せた状態でこの映画を上映したら どれ位の人が内容を理解し評価できるのか?それが知りたいのが本音です。来年も同様な作風作品の公開が有るかもですが 確実に飽きられる方向に向くのは間違いないだろうと私は感じています。
前作品のラストカットのケイコが、土手でもう辞めようかと悩んでいる時に負けた対戦相手から励まし挨拶されて グッと頭を持ち上げて土手を駆け上がる。そして夕日の中走って行く様が凄く良かった。あの空気感が本作にも求めたい所が有ったかもです。
全体的には上手く纏めた流れで、本当に自然体の中の内面的な心情表現とセリフ絡みで観ている側にこれでもかって位、静かな心の波が幾度となく来るのを感じ得ました。
★夜明けのすべて★上映119分
著者:瀬尾まいこさん(”そして、バトンは渡された”)
監督:三宅唱さん(”ケイコ 目を澄ませて”)
(MC)
山添孝俊(パニック障害、主人公男):(役:松村北斗さん)
藤沢美紗(PMS(月経前症候群)主人公女:(役:上白石萌音さん)
藤沢倫子(美沙の母):(役:りょうさん)
辻本憲彦(姉亡くす 山添の旧職場上司):(役:渋川清彦さん)
栗田和夫(栗田科学社長 弟亡くす):(役:光石研さん)
会社女子社員:(役:久保田磨希さん)
PMS(月経前症候群)、PD(パニック障害)を持つ二人の関係性と、社長や元上司の持つ身内死去による心の闇。そしてそれらを理解している会社の同僚社員の温かさ。それら総てを包み込んでいる 星空の下、夜明け前の最も暗い時の流れを感じます。
プラレタリュ-ムイベントの最後に、藤沢が読み上げる社長の弟さんが残した手帳の手記。星空の夜が好きでずっとこのままでいたいという思い。やがて明ける夜。その時が一番暗く感じると・・・。
心の奥底に抱えた闇を抜ける勇気、そしてその後の自身の生き方を説いている様に感じます。
なぜ弟や姉は死んでしまったのか。どうして彼女は海外に去っていったのか。せっかく気に掛けてくれた同僚は何故故郷に戻ったのか。最初は嫌だった職場に 今では残ろうという思い。
総ての方が抱えている心の夜に、その夜明けが 穏やかに来ますように。
そう思える温かい映画でした。
(PS:久保田磨希さん~ご活躍期待してますよ)
気になる方は、今の内に劇場へ!!