「原作とは全く違う話。」夜明けのすべて たろすさんの映画レビュー(感想・評価)
原作とは全く違う話。
公開を楽しみにしており、小説を読んでから行きました。
小説を読んでいる間、心が震える瞬間がいくつかあったのですが、そこは全く映像化されていませんでした。
設定も変えられており、あくまで映画用になっているのかなと。
栗田金属という社名から栗田科学に。夜明けのすべてというタイトルの伏線を回収するためにプラネタリウムを持ってきたのか…?
好きだった倉庫でのシーンや、草むしりのシーンも別のものに変えられていてショックでした。
まず小説の方が元上司との距離感がリアルで共感できていましたが、今でも付き合いがある描写。
おまけに上司も暗い過去を抱えているという余計な設定…この辺からもう観るのがつまらなくなってしまいました。
大好きなお守りのシーンもただ藤沢さんがポストに入れるだけで、それに対してのアクションは全くなし。
それなら神社に行くシーンはいらないのでは?
自転車も、藤沢さんが押し付けたことになっていましたが実際は違います。そこに至るまでの過程が良かったのに、全く違うものになっていました。
おまけに母親が病気で退職するという設定も…
映画用に書き換えられててすごくガッカリしました。
原作を読んだ際、本当に松村北斗と上白石萌音がぴったりだと思いました。
実際2人の演技を見て、藤沢さんも山添くんも素なのかと思うくらい自然で引き込まれました。
症状が出るシーンは2人ともうますぎて、過呼吸のシーンに関してはこちらも引っ張られそうでした。
キャスティングがよかっただけに、脚本と設定がとても残念です………
原作を読んでいなければ、こういう話として受け入れられ楽しめたと思います。
別物のお話だと思えば、面白かったんではないでしょうか。
本当にその通りだと思います。改変するのが悪いという訳ではないんですが…
uzさんもおっしゃる通り、黒人の息子もそうですし、何の意図かわからない設定変更が多かった気がします。
自転車も御守りも、ひいてはその後の彼女との邂逅も、どこにも繋がってなくて違和感ありました。
原作ではちゃんと何かあるのですね。
変えちゃダメとは思わないですが、入れるなら意味を持たせて、そうでなければ削るべきですね。