「本当にドキュメンタリーなのか。」東から ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。さんの映画レビュー(感想・評価)
本当にドキュメンタリーなのか。
ベルリンの壁が崩壊する6年前に封切られた作品は、当時の共産圏を眼前にした、エスノ的なアケルマンの視線が堪能できる。
カメラワークは「letter from home」と極似している。空虚なNYの街並みと違い、映し出されているのは人によりフォーカスしているように思う。中でも印象的なのは、定刻通りには来ないがために多くの人が待つバス停と駅?で電車を待ち静かに待つ乗客。無に近い佇まいと表情に絶望や無力を重ねてしまうのは、意訳し過ぎだろうか。
描かれる人々との距離感を考ると、これは俳優さんなのでは?と疑ってしまうほど、冷徹なアケルマンの視線が、痛々しいほどに彼らの表情に迫っていく。
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