「“社会派”と“ご都合主義”の食い合わせの悪さ」高速道路家族 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
“社会派”と“ご都合主義”の食い合わせの悪さ
2万ウォン=約2000円。高速道路のサービスエリアでホームレス生活を送る一家の父ギウが、人のよさそうなドライバーを見つけては「財布を失くしたので貸してくれないか、あとで振り込んで返すので」と頼む金額だ。日本なら「寸借詐欺」と呼ばれる手口。相手が渋っていると、母と2人の子供も現れて、空腹だなどと言って同情を誘う。
すでに大勢から指摘されているように、是枝裕和監督作「万引き家族」やポン・ジュノ監督作「パラサイト 半地下の家族」を思わせる要素や展開が多々ある。格差社会、軽犯罪で食いつなぐ底辺の家族、(比較的)裕福な家族の家に入り込む底辺家族、衝撃の展開などなど……。
「万引き家族」と「パラサイト」がそうであったように、格差社会への批判的な視点という社会派のスタンスをエンタメ映画へと昇華させようとする意図は、この「高速道路家族」にも認められる。
ただまあ、志(こころざし)の違いなのか、あるいは韓国エンタメの悪しき傾向なのか、リアリティよりもご都合主義で話を進めようとするストーリー運び、“劇的”であろうとするためにキャラクターに突飛な行動をさせたり、起こりそうにない修羅場を無理矢理入れてきたりといった底の浅い脚本に乗れない。サスペンスやコメディのジャンルならご都合主義がうまくはまるケースも多いが、社会派を装うドラマ作品で警察が都合よくポンコツになって尋問中のギウを取り逃がしたり、留置所から脱走させたりと、作り手の志を疑わせる安直な展開が目に余る。
先に挙げた2作品のような優れた社会批評性を、本作には求めない方が楽しめるのかもしれない。
親ガチャの映画ではないのでしょうか?
映画の嘘でも良いのでは?
テーマが伝えたいのであれば観れるのでいいのでは?
この作品のテーマは貴方の言う事ではなく、性善説などを解く映画ではないのでしょうか?
プロであれば凄いと思いますが、貴方の映画批評は全作品、上辺だけ見ている気がしました。