「【今作は、自分自身を様々なルールで律しながら、”THE SMITHS”の数々の名曲を聞きながら冷酷に仕事をこなす殺人者の姿を、ヒリつく緊張感を漂わせながら、スタイリッシュに描いた作品である。】」ザ・キラー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、自分自身を様々なルールで律しながら、”THE SMITHS”の数々の名曲を聞きながら冷酷に仕事をこなす殺人者の姿を、ヒリつく緊張感を漂わせながら、スタイリッシュに描いた作品である。】
ー 冒頭から、”THE SMITHS”のヒット曲を聴きながら、殺人者(マイケル・ファスペンダー)は、孤独感を漂わせつつ、仕事を熟そうとする。
仏蘭西で、ターゲットの帰宅を対面の無人の事務所の中で只管に待つ殺人者の姿。モノローグで彼が自身に律している事が語られる。
そして、漸くターゲットが帰宅した時に、彼は落ち着いた素振りでライフルを組み立て、”THE SMITHS”の”How Soon Is Now?"をチョイスし、ターゲットを撃つがターゲットの前に現れたレザー服に身を固めた娼婦に当たってしまう・・。-
◆感想
・殺人者は仕事にしくじった後に、ドミニカの隠れ家に戻るが、異変を察知し室内に入ると割れたガラスが散乱している。
ー 殺人者は同居の女性が収容された病院に行き、彼女を見舞う。
”THE SMITHS”の”Girlfriend In A Coma"が流れる・・。ー
・その後、彼は隠れ家を襲った男女を乗せたタクシー運転手を突き止め、情報を聞き出し躊躇なく、射殺。
・そして、飛行機に乗り”仕事”の斡旋人”のホッジス弁護士の事務所に清掃員に紛争し、入り込み、ホッジス弁護士から男女の情報を得ようとするが拒否され、殺害。秘書の中年女性が情報を知っていると言い出し、彼女から情報を仕入れコレマタ、殺害。
ー ホッジス弁護士の事務所に入り込むときの、運送屋の後について行き事務所の扉が閉まる時間を数え、運送屋が帰る際にカウントしながら、ドアが閉まる直前に足を入れ込むシーン等は、ナカナカである。
そして、彼が律している事の一つ”情に流されるな・・。”を忠実に実行する姿。-
・得た情報を基にコレマタ飛行機で男が住む国に飛び、壮絶な格闘で倒し、更に飛行機でエキスパートの女(ティルダ・スィントン)が住む寒き国に行き、彼女がレストランに入った際に、彼女の前の席に座る殺人者。
エキスパートの女は、複数のウイスキーをテイスティングしながら、落ち着き払い、男に対し”熊と猟師”の話をする。
ー 緊迫感が凄いシーンである。ティルダ・スィントンの存在感も抜群である。そして、二人は外に出て、殺人者は彼女を躊躇なく射殺する。-
・そして、彼は再びいつものように全く違う名前とパスポートを飛行場のカウンターで提示し、殺害案件を出した顧客の男の家に、難なく忍び込む。
ー ココも、緊迫感が凄い。だが、殺人者は男に対し”簡単に入れる事を示したかった。次は・・。”と男を威嚇し、その場を去るのである。-
<ラスト、彼はドミニカの隠れ家に戻り、今までに見せた事のない柔和な表情で、デッキチェアで寛ぐ怪我を癒す同居の女に飲み物を作り、自身もデッキチェアに仰向けになりながら、陽光を浴びながら寛ぐのである。
今作は、”THE SMITHS”の”Shoplifters Of The Word Unite""This Charming Man"など多数の名曲を随所で流しながら、一人の殺人者の仕事のミスにより行われた事に対し、自身を律する多数の決め事に従い、多数の名前や幾つかの隠れ家、倉庫に隠してあった武器を駆使して報復する姿をヒリつく緊張感を漂わせながら、スタイリッシュに描いた作品である。>