劇場公開日 2023年4月7日

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「人間讃歌。湯バーバと未来風死神の夢オチ。」世界の終わりから コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5人間讃歌。湯バーバと未来風死神の夢オチ。

2024年5月6日
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内容は、2030・2・7の孤独な女子高生が、知らない人からいきなり『夢を見なかった?』から始まる夢野久作ドグラマグラ的物語。すったもんだありながら主人公の少女が世界の終わりを望みながら世界の再生に思いを馳せる厭世的なSF作品。
 印象的な台詞は『私は愛されていた。ずっと』主人公ハナが終盤付近で両親の想いに触れる場面。想いがテーマの一つであるが故のしようがない様に感じます。
『これでやっと死ねる』無限の民の長が最後に呟く言葉。死は解放と重なって本当に幸せそうでした。
 印象的な立場は、それぞれの登場人物が重なり重要な役回りだった様に感じます。
ハナ=ユキ・ユキ父・シロ=エザキ・無限の長=ラギなどです。複雑な役回りで荒い脚本なのは否めませんが書いてある本人が混乱したのではないかの様な絵作り。言いたいことが多すぎて乱雑ですが、結局なにわ節だと分かる分かりやすさが受けたのかも知れません。
 印象的な場面は、夏木マリさんの一人芝居が千と千尋の神隠しを彷彿とさせる程の実写版・湯バーバ銭ーバでした。もうそれにしか見えない所が怖かったです。
 あまりにも盛り込みすぎの物語で、複雑に見える物語が落語の死神であったり、ドグラマグラ的であったり、神様もう少しだけだったり、7人の侍だったり、インターステラーだったり、ファゥンデーションだったりして楽しかったです。
お腹いっぱいになり何も残っていない印象の映画でした。欲張り過ぎて統一感のない話は中々入り込めないかもしれません。
 クライマックス付近で、作者がもうこれで打ち止めです!と言わんばかりの閉店ガラガラの場面が見えて楽しかったです。

コバヤシマル
コバヤシマルさんのコメント
2024年7月5日

コメントありがとうございます。
暑いですがご自愛ください。
この作品で打ち止めだと監督が言ってたので、自分の持てる限りのアイデアを持ち寄ったのだと思います。
過去の印象的な作品が匂い立つぐらいの方がマイルドで良かったのになと感じてしまう様な作品でしたね。
映像作品は共同作業ですが、監督の趣向が際立つ作品で、人造人間キャシャーンを思い出させてしまう作品でした。

コバヤシマル
琥珀糖さんのコメント
2024年7月4日

ご無沙汰してます。

納得の“なるほど、なるほど”と頷きながら
読みました。
そんなに様々な映画のテイスト(?)がまざっていましたか?
なんかオリジナミリティが感じられなかったですね。

琥珀糖