「脱力系SFコメディとして面白そうだったのだが・・・」宇宙人のあいつ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
脱力系SFコメディとして面白そうだったのだが・・・
4人兄弟を演じる俳優たちの個性に期待したが、日村勇紀のみが「悪目立ち」してしまい、他の3人が霞んでしまったのは残念だった。
ストーリー的にも、次男が土星に帰るまでのタイムリミットの話と、三男の中学時代の同級生の話や長女の妊娠の話とがうまく噛み合っておらず、どこか空回りしている感じがある。
そもそも、あんな幻覚を見せただけで仲直りができるとは思えないし、交際相手を蹴り倒したり記憶を無くしたりする前に、まずは妊娠のことを説明するべきだろう。「うなぎ」の件も含めて、いずれの問題も、次男が超能力を発揮したからこそ解決できたようなものだが、それでは、次男が正体を明かす前だったら、どのように解決したのだろうか?
何よりも、「家族」がテーマであるはずなのに、「自分よりも大切なもの」と台詞で説明されても、それを納得したり、実感したりできないのは、物語として致命的だろう。
愛する人がいる訳でも、日常に満足している訳でもなさそうなのに、家族の誰も土星に行きたがらないというのも腑に落ちない。それならば、皆が土星に行きたくない理由こそ、「家族」にするべきだったのではないだろうか?
家族の誰を土星に連れていくのかというオチにしても、物語の冒頭でネタばらしをしてしまっているのは、お粗末としか言いようがない。
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