「ファンが見たかったものを見せてくれる。 一方で気になる点も…」アイドルマスター ミリオンライブ! 第1幕 CIRROさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンが見たかったものを見せてくれる。 一方で気になる点も…
原作ゲーム開始から10年で待望のアニメ化という事でファンの期待が高まっている中、それに応える作品となっています。
一方で、「ここはどうなんだろう」という点も見られたので良かった点、気になった点に分けてレビューします。
[良かった点]
見たかったあのやり取り、初めて描かれるビジュアル(ロコアート等)、果ては過去のコミックス作品のオマージュなど、ファンが見たかったものが随所に散りばめられています。
ゲーム内では表現に制約があったため、実際にこう動くのかと新たな発見もあったかと思います。
過去10年間ショートアニメで断片的にしか描かれなかった世界がはっきりと示された、という感動が得られると思います。
[気になった点]
3DCGの作画は最後まで気になりました。
手がアップになる要所のシーンで指が太く見える、また足が細長くアングルによっては不自然に見えてしまうシーンもありました。
日常シーンの中で、3Dで衣装を作るコストの制約のためかキャラクターの服のバリエーションが少ないのも気になりました。
私服のままのダンス練習、夜の自宅でスーツを着たままの静香の父親、4話を通して同じ私服の未来などを見る度に話への没入感が削がれてしまいました。
キャラクター描写の弱さも気になりました。
この1幕では4話までにシアター組37人が登場します。
彼女達の顔見せのため、主人公の未来視点から切り替わり数人のアイドルが登場、また別の数人の場面に切り替わるようなシーンが続き、予備知識が無ければキャラクターの整理をつけるのが難しいのではないかと思いました。
彼女達がどんなキャラなのか察することの出来るセリフ、描写はあるものの表面をなぞったものに留まっているなと感じました。
同じように1クールで50人近いキャラクターを扱ったガールズ&パンツァーではキャラ描写の弱さは戦車戦での活躍で補強され、それぞれのキャラに印象的なシーンが生まれました。
4話時点で未来達の本格的なライブはまだ披露されていませんので、彼女たちの活躍は2幕以降に期待したいところです。
総じてファンにはオススメな作品ですが、1ヶ月後に地上波放映・割引が効かず他作品に比べ割高な点を含め新規の方に積極的に薦める事は難しいという評価です。