「タイトルなし」目の見えない白鳥さん、アートを見にいく えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5タイトルなし

2023年5月28日
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鑑賞方法:映画館

白鳥さんの映画だった。そして白鳥さんが素晴らしかった。映画自体はジタバタしてる感。でも、白鳥さんの酔っ払ってるところを撮ったり、差別された記憶を聞いたり、視覚障害用の言葉をつけ、面白かったのは、視覚障害の側から言葉から画面上で映画を描いてみたりしていること。白鳥さんや視覚障害者は見られないんだけど、鑑賞体験をさらに複雑にメタに記述。
白鳥さんに写真をもたせた人は偉い。自分では見られないけど、写真を撮る行為。
現代アートとはこういうものなのだと思う。
正しい見かたがあるのではなく、そもそも人が世界を見ている見方に真実や正しさがあるわけではない。様々な世界との関係があるだけなのだ。白鳥さんは、そこで人々が会話しているのを聞くのが楽しいという。
全寮制の学校で、また優しいおばあちゃんにさえ健常者より努力しろと言われてきた白鳥さんの過去。それに抗ってきた白鳥さんの生の物語なのだと思う。
明るい。力がある。

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えみり