「2/3はアンジャッシュ」無情の世界 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
2/3はアンジャッシュ
テーマのみ共有した、別監督による独立した3篇の短篇集。
『真夜中のキッス』
画面と雰囲気はとても好き。
反面、ユイの殺人(初犯じゃない?)の相手や動機、竹山がなぜ琢磨の家に来られたかなど謎も多い。
理屈は求めず、雰囲気と空白を楽しむ作品かな。
アンジャッシュ風にすれ違う会話など、ダークな中のコミカルさも光る。
ニュースでよく見てた頃は興味なかったけど、『死体の人』に続き唐田えりかが良い。
『イミテーション・ヤクザ』
こちらもアンジャッシュのコントのように始まり、沈黙使って緊迫感を差し込むなど緩急が上手い。
些細なきっかけでまた役者を続けようとする主人公を、非情にさり気なく描いているところも好印象。
「監督、僕です」の不意打ち感、絶妙にヘタな芝居の演技、マネージャーのツッコみと青空の〆なども好き。
『あなたと私の二人だけの世界』
ピュアさが生み出すシュールな笑い(鳩尾の流れは笑った)がツボで、途中までは凄くよかった。
男女の主人公はどちらも空気が読めず、発言の意図が見えず、次の行動が分からない。
そんな二人がどう絡むのかと期待していたところ、男としては遣る瀬ない生理現象でアッサリ崩壊。
そこから先は蛇足だし、櫻井側のその後も見たかった。
華奢で小柄ながら、「もっと強く」の時は謎の強キャラ感が滲むなど、新川優愛が魅力的。
特に最初と最後の2本は、脚本を練って90分くらいの作品にしたら面白そう。
本作では、一本としても各章としても星3〜3.5といったところかな。
失礼します
題名、お許し頂き畏れ入ります
題名ですが、アフタートークでも何度も小林且弥(プロデューサー wikiに拠ると、松田優作の甥との事)が『コント臭は消したい』との発言だったので、マイナス記号を付けた次第です(^_^;)
3作目ですが、編集でカットしたとかではなく、本来それぞれ時間設定30分位の作品依頼が、この監督だけ50分で作ってきて、他の監督からブーイングだったとのことです(勿論、今は笑い話)
私的には、あの、それぞれの世界観に溶け込めないコーチと男主人公の回収として後半の件が不要とは思わなかったです
元警察官のコーチは、女性達のメンタルな部分迄は理解に及ばず、段々暴走していく女性達(直接ミゾオチにパンチさせろ等)に一種の不安要素を感じたからこそ、特別に同性を参加させたという文脈かと考えます なので、山奥への途中会話で被害者ビジネスみたいな事をしている自分の疚しさに後ろめたさを感じていたとの件は、男性主人公の生真面目さとシンパシーを感じたのだろうと・・・ 但し、あのままもう一展開ストーリーを転がしてしまうと設定時間オーバー以上に、オムニバスに組み込めないと監督判断だろうと想像しました
前触れ無い(無理に考えれば、真面目さが生きにくい厭世観)故の唐突さ、そして夢オチと、どうでもよい童子退行的生産性皆無の会話応酬に、男としての哀しさ、切なさを表現したかったのかなと・・・
すみません、くだらない考えに貴重な時間を盗んでしまい、お詫びします